*SAKULIFE*

音楽と桜とミルクティーが好きな社会人が、日々の想い出やお気に入りをしまっておく宝箱。

世の中の156センチ女子は、みんな45キロくらいだと本気で思っていた

でも、どうやらそんなことなかったらしい。


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物心ついたときから、自分は人よりも太っているという自覚があった。

自分はデブだと思い詰めてずっと生きてきたから、それがいつからなのかもはや分からない。

小学生の頃から、おなかまわりに脂肪があるのがコンプレックスだった。
中学2年生の時、脂肪燃焼スープダイエットを試み、ダイエット2日目の登校中に嘔吐して、学校を休んだことがある。

服屋さんに行くと、店員さんに
「こんなデブがこの店に来るのはふさわしくない」
と思われているのではないかと思ってしまう。
だからあまり、店頭で服を買うことはない。

ずっと自分がデブだと思って生きてきたし、デブだと思われていると思って生きてきた。

わたしは下半身が特に太く、脚が太いのがここ15年くらいずっとコンプレックスだった。
街中を歩いているとすぐ人の脚を見てしまう。
自分より脚の太い人は全然いない。
みんなわたしより細い。

過去に何度かダイエットを試みているが、その度にリバウンドして元の体重に戻ってきてしまう。

ここ数年はダイエットのモチベーションが高まる期と、リバウンド後の体重を受け入れてそのまま生きる期を繰り返して生きている。

元の体重は人には絶対に言えないし、同じくらいの身長の友だちに、ここまで体重が重い人はいないと思っていた。

わたしは156センチだ。

世の中の156センチ女子は、みんな45キロくらいだと本気で思っていた。

それよりも重い自分は○んだ方がいいと、ずっと本気で思っていた。

今は何度目かのダイエットのモチベーションが高まる期で、少しずつだが体重が落ちてきている。


そんな時に、あるマシュマロをいただいた。


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わたしは悩んだ。

目標体重を言ってしまうと、
「今のわたしはそれよりも重い」ことを公表してしまうことになる。
「わたしは痩せても○キロはあるんだな」
と悟られてしまう。

何より元の体重は墓場まで持って行かねばならぬ。
リバウンドしたら一瞬にして戻ってしまう数字なのは、自分が誰よりもよく知っている。

どうしようかと悩み、友だちにラインをした。
(※このマシュマロをくださった方、もしこれを読んでくださっていたら、すごく申し訳ない気持ちにさせてしまっているかもしれないのですが、これをきっかけにわたしの世界がすごく大きく変わったので、すごく感謝しています。安心してほしいですし、申し訳ないと思わないでほしいです…。よろしくお願いいたします)

目標体重を言ったら、

「目標にしてもさ!なかなかやなと!」

と言われた。

え、そうなの?

わたし「世の中の150台の女性みんな40キロ台だとおもってた!」

友だち「絶対そんなことない」

え、そうなの?


そこで、Twitterで投票をお願いしてみることにした。

 

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デリケートな話題にもかかわらず投票してくださった方、拡散してくださった方、ありがとうございました。

投票結果を見ると、世の155~159センチの女性の3人に2人は、50キロあるんだそうだ。
もっと少ないと思っていた。
そうなのか。

わたしはこの数字に、これまでとても囚われて、思い詰めて生きてきた。

そこまで思い詰めるほどの数字ではないらしいことを、わたしは28年間生きてきて、初めて知った。


10年以上Twitterをやっているが、自分のアカウントを「デブ」で検索すると、コンスタントに自分のことを「デブ」と書いているツイートが出てくる。
フォロワーさんの中には、そのツイートを見たことがある方もきっといらっしゃると思う。

これは、「痩せてるよ!」とか、「デブじゃないよ!」と言われたくて書いていたわけじゃない。

本気で、自分のことをデブだと思っていたから書いていた。


先の友人にも、

「まあいうてもいきすぎた謙遜とか自虐でしょ ってわたしも昨日までずっと思ってたし周りの人もそう思ってると思う、まさかガチの本気で心の底からそう囚われて生きてきたなんて思わなかったよ、、、」

と言われた。

そうなのか。

ガチの本気で心の底からそう囚われて生きてきたよ。。
しかも囚われているという自覚もなかったし、この数字は156センチにはふさわしくないし、この体重で生きていることは絶対に人には隠してひっそりと生きていかねばならないと思っていた。

10月28日は、わたしにとって世界が変わった日になった。


思えばたしかに、
「思い悩む数字ではない」
と気づけそうな出来事は、これまでの人生でもいくつかあった。

でも、わたしはいつもその出来事を、自分を否定する方向に解釈して、思い悩む数字ではないらしいということに気づこうとしなかった。


例えば服のサイズ。
服やライブTシャツも、いつもSサイズを着ている。
前職も学生の頃のアルバイト先も、制服は7号を着ていた。スカートも7号だった。
前職の時細い先輩の5号のシャツを借りたら意外と普通に入ったので、シャツなら5号も入るものがあるかもしれない。

自分の服のサイズが7号だと知ったのは、学生時代のアルバイト先。
自分の号数が分からなかったわたしは最初、11号を選んでいた。
細かいことは忘れてしまったが、何らかの理由で11号が大きいということになり、社員さんの7号を着てみたところ入ったので、7号を着るようになった。
この出来事がなければ、おそらく自分のサイズは11号だと思い続けていたんじゃないだろうか。

Sサイズが入るのは身長が低いからで、わたしの入る7号は規格が大きいのだと本気で思っていた。
でも、もしかすると、7号は7号だったのかもしれない。

たまに服屋さんに行っても、サイズ選びは憂鬱だ。
特にボトムスに関してはこんなデブがSなんぞ着られるわけがない、Sを手にすることすらおこがましいと、いつもMしか試着しなかったけど、もしかしたらSでもいける服はいっぱいあったのかもしれない。


お友だちにも
「デブじゃないよ」
と言ってもらえる機会はこれまでにもあった。
でもその度に、
(みんなわたしの脚の太さとおなかの脂肪と体重を知らないだけ。。体重言ったらみんなにひかれるんだ。。。)
と思って全否定してきた。


156センチの標準体重は53.5キロ、美容体重は48.7キロ、モデル体重は43.8キロらしい。

標準体重はこれが標準と言われても全く現実味のない数字だし、美容体重が48と言われても世の中の女の子みんなそれより軽そうに見えるし、信用できない!と思っていた。


そのくせ、ネット通販で買ったワンピースが、入ったはいいけどちょっとぱつぱつで母からそのワンピースでの外出NGを言い渡されたことや、
いいなと思ったサンダルが、足首が太いせいで足首のベルトの長さが足りず履けなかったことは一生覚えている。
(脚のパーツの中でも足首はたしかに間違いなく人より太くて、その原因は足首裏の骨?が浮き出ないことにあると思ってるのだけど、痩せても出てくる見込みが全くないのでおそらく体質なんだと思う)


なぜ、こんなにも数字に囚われて生きてきたのだろう。
原因を考えてみる。

ひとつめは、おそらく母の影響が大きい。

わたしの母は身長が164センチある。
ちなみに父は173センチ。
両親は比較的背が高いのに、娘のわたしは156センチで止まった。母は三姉妹の長女なのだが叔母2人は150センチ台なので、おそらくそちらの遺伝なのだと思う。

母方の家系は加齢に伴ってどんどん太っていく家系だ。母も年々太っていっているし、叔母のひとりも会う度に太っていっている。

その血を引いているのだと思うと、昔から、歳を重ねることがただただこわかった。

今でこそ母も決して痩せているとは言えないが、母は今のわたしくらいの年齢の頃、164センチ50キロだったらしい。

明らかに156センチのわたしより細い。

今の段階でわたしは同じ歳の頃の母より太いのに、このまま歳を重ねていったらわたしはどうなってしまうのか。
当時の母より太い時点で自分はデブだし、今後太っていくことを考えるともう絶望しかないと思って生きてきた。


そしてふたつめは、中学3年生の頃からずっと好きなギタリストにある。
と、思われることに、原因を考えていて初めて気がついた。

中学3年生の頃からずっと好きなギタリスト、それはBREAKERZのAKIHIDEさんである。
高校2年生だった2009年、ライブツアーのパンフレットに、AKIHIDEさんの身長体重が掲載されていた。

164センチ49キロ。

明らかに156センチのわたしより細い。

当時のわたしも、今のわたしと同じように
「世の中の156センチの女子はみんな45キロくらいだと思っていた」ので、AKIHIDEさんが49キロであるという事実にここまで焦っているのは、世界中でわたしだけだと思っていた。
けど、焦っているのを悟られると自分の体重が悟られてしまうかもしれないと思い、極力黙るようにしていた。

あまり意識してこなかったけど、AKIHIDEさんが164センチ49キロという事実は、11年間ずーっと、わたしの意識の中にあった。
「AKIHIDEさんは49キロなのに。。」
と思ったの、この11年何度あったか分からない。

AKIHIDEさんはライブで観る機会も多かったから、
「あああ~脚が細い!女のわたしよりも細い!ていうかわたしの脚が太い!あああ~!」
と、おそらくこれまでの人生で1000回くらい思っていると思う。

好きなアーティストが50キロ切っている、という事実は、わたしが思っていた以上にわたしの意識に暗い影を落としていたらしい。

AKIHIDEさんも何気なく答えたであろう数字にファンがここまで囚われていると知ったら困るだろうな。申し訳ない。

ちなみに昨年、FCの会報の企画であらためてBREAKERZメンバーの身長体重が公表されていた。
AKIHIDEさん、体重が増えていて心底ほっとした。(会報の話なので一応数字は伏せておく。)
ずっとそのままでいてほしい。もっと増えたっていい。

奇しくも母もAKIHIDEさんも同じ164センチ。
164センチのふたりと自分を比べて、自分はデブなんだとずーっと思い続けて生きてきた。


でも、これはあくまでも数字に囚われるようになった原因で、デブだと自覚したきっかけではない。
小学生くらいの頃から自分はデブだと思っていた。

「自分はデブだ」という認識がずっと人生のベースにあり、ずっと自分を否定してきたし、
今の体型を肯定できる出来事はすべて気づかない振りをして、
自分がデブなんだと実感する出来事は、すべて生身のまま受け入れてそのまま傷ついていた。


しかも、それがどうやら、すさまじく自分に厳しいラインであるらしいことに、わたしは28年間本気で気づいていなかった。

そうか、そこまで思い詰めることでもなかったのか。

知らなかったよ。


まだまだ脚は太いし、目の前に脂肪の姿が見えるのでダイエットは続けるけれども、

これからは、すこしだけ、自分を許して生きていきたい。

 

 

 

▼ご感想などございましたらマシュマロまでどうぞ
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今回のTwitter投票にご投票・拡散くださった方、
最初のマシュマロをくださった方、ありがとうございました。

きっとこれがなければ、これからもずっとわたしは数字に囚われて生きていたと思います。とてもいいきっかけになりました。ありがとうございます。