蜷川実花さん。
高校生くらいの頃からずっと好きなんです。
写真展にも何度も足を運びましたし、映画作品はすべて映画館で観ています。
先日のGUとのコラボも、喜び勇んで購入しました。
ひとめ見て実花さんの写真とわかる、強烈な極彩色に魅了されています。
さて、そんな蜷川実花さんの写真がデザインされた生理用ナプキンがこの度発売され、たいへんな話題になりました。
大きなニュースになっていたので、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。
生理用ナプキンとは思えない鮮烈なデザインは、生理用ナプキン、そしてわたしたち女性の生活に新しい風を吹かせたように思います。
生理論争
以下、生理用ナプキンを「ナプキン」と書きます。
数年前から、生理に対する議論がSNS上でさかんに行われるようになりました。
思い出せる限り挙げてみると、
デザインに対する問題提起
- 血祭りの時にナプキンにハート❤️とか星⭐️とか書かれててもなんもテンションあがらんねん!だいたい女子はハートとか星が好きって固定概念はなんやねん!わたしはもっとシンプルなデザインが好きや!(※誰かの意見の引用ではなく、わたしが記憶を便りに書きました)
新しい生理の選択肢の登場
男女や女性間での生理に対する認識の相違に対する議論
- 男性は経血をコントロールできると思っている……だと……?
- 男性よりも、生理が軽い女性の方が重い生理痛やPMSに理解がなくてやっかい!
などなど。生理についての論争は実に多岐にわたっていました。
シンプルという正義
そんな中でも、最初に挙げた
「ナプキンのデザインはラブリーじゃなくていい!シンプルなものを!」
というニーズは、「ナプキンに対する新しい価値観」として、市民権を持ち始めていたんではないかと思います。
その中で、無印良品が無印良品らしいシンプルな箱のナプキンを発売し、話題になりました。
SNS時代の功罪
SNS時代の功罪は、価値観がアップデートされていく中で、
「これまでの価値観=古い、間違い」
「新しい価値観=正義、正しい」
という意識に変わってしまうことだと思います。
ダイバーシティ
ダイバーシティが叫ばれて久しいです。日本でも新しい価値観を受け入れる土壌は少しずつ整ってきているかと思います。しかしながら、今の日本は、「これまでの価値観を否定することでしか」「新しい価値観を受け入れられてない」と思うんです。
それは、これまで赤だった正解が青に塗りつぶされてしまっただけで、結局は同じこと。
それに気づけていない危うさを日々感じています。
そんな中で、新しく生まれ始めた「生理用品はシンプルに」というトレンド。
蜷川実花さんデザインのナプキンは、そのトレンドに、正反対の方向からアプローチしています。
新しいフェーズ
蜷川実花さんのインタビュー記事も拝読しました。
実花さんは、昨今の「シンプル」というトレンドには特に言及されていませんが、このようにおっしゃっています。
――生理用ナプキンは衛生用品なので、清潔感を重視して「白に近いパステルカラー」が多用されてきた経緯もあると聞きます。
私は、そうであったということを、ことさら批判的に捉える必要はないと思います。ただ、皆が「こういうものだよね」と信じていたものが絶対的ではなくなって、「もっと違うものがあったっていいよね」というフェーズがきたのだと思う。
実花さんのおっしゃる通り、
「従来のもの」「シンプルなもの」「鮮烈なデザイン」
これらが共存していくことこそが、真のダイバーシティであり、今後目指していくフェーズなのだと思います。
これはナプキンに限らず、いろんな場面で言えることだと思います。
何かを下げて、何かを評価することや、従来のものを否定して、新しいものを賞賛することは簡単です。
従来のものを否定することなく、新しいものを受け入れていく価値観が、これからの日本にもっと浸透していけばいいな、と思っています。
おまけ、だけどいちばん書きたかった話
余談ですが、記事の冒頭の写真。
こちら、ひとめでわかる蜷川実花さんの写真なんですが。
これ、なんだと思いますか?
ほかにもいくつか。
実はこれ、今回の記事を書くきっかけとなった、蜷川実花さんデザインのナプキンの接写なんです。
なんと美しいのでしょう。
同じものでも、ひとつひとつデザインが異なっていてとても美しいです。
前から買ってたんですが、生理が遅れてまして、今日初めて使ったんです。
広げてみるとあまりの美しいデザインに目を奪われ、思わずじっと見入ってしまいました。
お手洗いの個室の中で、それも生理中に、こんなにも心華やぐ瞬間ってこれまで一度もありませんでした。
衝撃でした。
このナプキンが与えてくれたのは、生理の革命です。
蜷川実花さんとメーカーさんには感謝です。難しいとは思いますが、限定と言わず通年で発売されてほしいです…。