*SAKULIFE*

音楽と桜とミルクティーが好きな社会人が、日々の想い出やお気に入りをしまっておく宝箱。

『野外劇 ロミオとジュリエット イン プレイハウス』 at 東京芸術劇場 プレイハウス


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2021.10.16(Sat)
『野外劇 ロミオとジュリエット イン プレイハウス』
at 東京芸術劇場 プレイハウス

行ってきました!

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実は土曜日はマチソワでした。
ひっそり行ってきました『野外劇 ロミオとジュリエット』。

阿久津仁愛くんのTwitterで『ロミオとジュリエット』を上演すると知り、驚いて調べたら、なんとプレイハウスで上演するというではありませんか。
(グローバルリングで上演予定だったものの、このご時世の影響でプレイハウスに変更になったそうです)
しかもチケット代が500円。

プレイハウス、轟悠さんの公演が上演されていたので、一度行ってみたかったんです。

宝塚の『ロミオとジュリエット』が宝塚の演目で一番好きなわたし。

ロミオとジュリエット』がプレイハウスで、それも500円で上演されるだなんて運命としか思えない。
ひっそりと行ってきました。

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“ひらく”をテーマに、“近未来の池袋”そして“自分の望む性別を自由に名乗れる社会”を舞台に、モンタギュー家の配役を女性が、ジュリエット以下キャピュレット家の配役を男性が、それぞれ演じられています。

阿久津仁愛くんはジュリエット役。
ロミオ役は川原琴響さん。

今年星組の『ロミオとジュリエット』を観て思ったのですが、わたしはこの作品の音楽が狂おしいほど好きで、ストーリーに関してはそんなに……なんです。笑

最初に説明があるのですが、劇中の台詞はほぼシェークスピアの原作通りとのこと。
説明の演出、
「2時間ほどで終わります!」
とか言ってて、野外劇だから周りにいる人を引き込むための演出なのかもしれないと思いつつもどうにも美しくないように思えて、うーんって思ってたんだけど、“台詞がほぼ原作通り”って情報を得られたのはよかったです。
それ知らなかったら、もっと酷評してたと思う💧
昔『ロミオとジュリエット』の原作を読んだ記憶があるけど、あんなにマーキューシオの下ネタひどかったかなぁ…。

以下、箇条書き。

🌹宝塚版はティボルトがジュリエットを好きな設定ですが、それがないのは原作通りっぽいなぁと思いながら観ていました。

🌹ロミオがまだ恋に恋してなかった。笑
ジュリエットじゃない別の女性(名前失念)をやたら引きずってた。

🌹ジュリエット父がかなりアレでひどかった。
ジュリエットがパリスと結婚したくない!って言ってるときに目も当てられないならぬ耳も当てられないこといろいろ言ってて時代錯誤すぎてきつかった。詳細は覚えてない。
原作にあったとしてもカットして欲しかったレベル。
マーキューシオの下ネタも同じく。きつい。

🌹しかもパリスまで死ぬ。
原作パリスも死ぬの?

ロミオがティボルトもパリスも殺してしまう。
パリスまで殺してしまうとロミオただの犯罪者。
そうなると結末が悲劇にならないと帳尻が合わなくなってしまうので残念。

宝塚版のように“ティボルトはマーキューシオを殺したから”みたいな情状酌量の余地がなくなってしまう。
それでもすっきりしないのになぁ。

🌹目覚めたジュリエットが一度神父に会えているのに神父がその場を離れているから結局死んでしまうのも残念。
神父ぅぅぅぅぅ生きてるジュリエットに会えたなら止めてよぉぉぉぉぉってなる。
それなら宝塚版みたいに、神父着いたときにはすべてが終わっている方がいい。

🌹どこまで原作通りか分からないけれど、大好きな宝塚版と原作を照らし合わせて観るのにはとてもよかった。
薔薇の名前に意味はないとか、
「おまえの腕の後ろから刺されたんだ」
とかは原作通りなんだね。

🌹鉄骨が周りに組まれたセットは『RENT』を彷彿とさせました。
よくあるセットなのかな。

🌹プレイハウスは結構おおきなホールだったんだけど、全員マイク通さずにお芝居されていた。
演劇部の時はそれが当たり前だったけど、ひさびさに生の声でのお芝居を聞いたなぁと。
耳にも新鮮で懐かしい響きだった。
ひさびさに来たなぁ、この世界。

🌹乳母とロミオ父が一人二役なんだけど、乳母を演じられている俳優さんは発声がさすがでした。
声量を落としてもきちんと聞こえる。

🌹ジュリエットちゃん、、、ではなく、ロミオちゃんも通る声でとてもよかった。

🌹仁愛くん演じる美少女、じゃなかった、ジュリエットはとびっきりの美少女だった。
美しかった

🌹ただ、台詞は原作通りだから“自分の思う性別で自由に生きられる社会”の設定が全く活かせてなかったのが残念。

心の性と身体の性どうなってるのか全く分からん。
もし仮に、心と身体の性は一致していて演者の性だけ逆にしているのなら、それは正直あんまり意味をなしてないと思う。
近未来の池袋や男女逆転は、“ひらく”ための後付けだった、とパンフレットに書いてあったけど、これでほんとにひらけているのかな?

🌹ロミオちゃんは自分の話しやすい声のトーンで発声できてたと思うから、声もよく通るし聞きやすかったんだけど、仁愛くんはいちばん発声しやすい声のトーンだと低くなる(と思われる)からか、ハスキーな声になっていて残念でした。
男の子の役で、発声しやすい声でお芝居させてあげたいな、と思ってしまった。

阿久津仁愛くんは超正統派の美少年。

ロミオ役の川原琴響さんもかわいかったから、仁愛くんロミオ、琴響さんジュリエットの『ロミオとジュリエット』が観たかったなぁ。

絶対めちゃめちゃよかったのに、仁愛くんロミオ………。

(観たい………)

🌹途中で死ぬマーキューシオとティボルトが途中から舞台の上段でずっと舞台で起きる光景を見下ろしていて、この『ロミオとジュリエット』での“死”は、マーキューシオとティボルトなんだなぁと思った。
この演出はいいなと思った。

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宝塚版も潤色が入っているから正統派、完全版ではないのだろうし、宝塚版を正解、正統だとは思わないんだけど、これだけを観た方には是非、
「宝塚版を観て!!」
と言いたくなってしまった『ロミオとジュリエット』でした。

今回は全く使われていなかったけど、『ロミオとジュリエット』は音楽が素晴らしいのです…。

いつか仁愛くんがミュージカルの『ロミオとジュリエット』でロミオを演じられるなら観たいなぁ。
とても正統派ロミオっぽいの。

いろいろ書いてしまいましたが、古典の『ロミオとジュリエット』の空気に触れられて、とても勉強になりました。
ありがとうございました!

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