*SAKULIFE*

音楽と桜とミルクティーが好きな社会人が、日々の想い出やお気に入りをしまっておく宝箱。

イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜展


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2021.12.26(Sun)
印象派・光の系譜 ― モネ、ルノワール -
at 三菱一号館美術館

行ってきました!

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印象派
メインビジュアルはモネの睡蓮。
行かないわけには行きません。

イスラエル博物館所蔵の印象派作品を一気に見られる機会は世界初とのことです。
印象派の代表的な画家の作品がたくさんあり、大変見応えがありました。

三菱一号館美術館、初めて行きましたが、雰囲気ある素敵な美術館でした!
中に暖炉がたくさん。

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昨日、原田マハさんの番組を観た翌日だったので、
「作品自体が境界面(インターフェイス)」
という言葉を思い出しながら拝見しました。

🌼「夏の陽光」というチャイルド・ハッサムの作品は、モネの色彩にルノワールのタッチのような淡く鮮やかな人物画で、光を放っていました。

傘を持った女性が本を読んでいる作品なのですが、ドレスの柄もかわいくてなんだかメリー・ポピンズ感。

🌼クールベの作品も多く展示されていたのですが、クールベの作品の前には人が少なめ。
クールベの作風はすこし暗めなので、美術館を訪れる人も、暗い作品の前に佇むのではなく、明るい色彩に心を染めたくなるものなのかなぁ、と思ったりしました。

だからこそ、明るい色彩のモネやルノワールは、世界中で愛されているのかなぁと思いました。

今日、特に印象に残ったのは、大好きなモネ、最近心惹かれることの多いピサロ、そして新たな出会い、ユリィでした。

撮影許可とポストカードの写真を使っていきます。

クロード・モネ

まずはモネ。
モネは「睡蓮」をはじめとして数点展示されていました。

『エトルタ、アヴァルの崖』(1885)


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最初のモネがこの作品でした。

目に飛び込んできた瞬間、遠目でも人目でモネとわかりました。
東京に来てからというもの、モネの描く断崖絶壁ばかり見ています。
先日観た『ベリールの岩礁』は1886年の作品。
異なる海の作品なのかな。

空の彩、海の青。美しいです。

断崖絶壁の日陰に、これだけの色を見いだし、陰の中の鮮やかさを映し出すことができるのは、モネだけだと思います。

『睡蓮』


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メインビジュアルの『睡蓮』。
ほかにも国内の『睡蓮』が3点展示されていて、この作品とおなじ場所で描かれたように思いました。
水面に映る木のシルエットが同じ。
木のシルエットを見ていると、なんだか木と木の間に川が流れているように見えますね。

『ジヴェルニーの娘たち、陽光を浴びて』(1894)


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人がいないのに娘?と思いますが、積みわらの連なる姿が娘に見えるとのことからこのタイトルとなったそう。
影がないので真昼の作品という説があるそうです。

余談ですが、今日の作品は“陽光”という訳がとても多かったです。笑

カミーユピサロ

最近気になるカミーユピサロ

Janne Da Arcの「Labyrinth」という曲に、
“あざけ笑う ピサロの絵”
という歌詞があるのですが、ピサロってあざけ笑うような人の絵を描きそうにないんですよね。笑
ピカソって言いたかったんじゃないかと思っています。笑

そのため、長年、ピサロの作品に出会っては、心の中でyasuに
「yasu、とてもこの人の絵はあざけ笑うようには見えないよ」
と言い続けていたのですが笑、近頃ようやく、yasuに語りかけるのにも飽きてきて、純粋にピサロの作品を観られるようになりました。
ピサロを見て、yasuを思い出さない時はないけれど!笑)

撮影許可ゾーンにはピサロは3作品。
どれもとってもお気に入りの作品になりました。

『エラニーの日没』(1890)


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とっっても、美しかったです………!

空の色が遠目からでも目を惹きました。

美しかったです。
でも、この空の美しさ、写真でもポストカードでもきれいに写らなかったな。
ほんものでしか分からない美しさがありました。

ピサロの作品の中でいちばん好きかもしれません。

『豊作』(1893)


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とてもお気に入り。
空の色彩も、木々の緑も、積みわら?の下の部分の色づかいもとても鮮やかで美しいです。


『朝、陽光の効果、エラニー』(1899)


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ラニー?って思ったのですが、モネでいうジヴェルニーのような場所のようです。

『ジャンヌの肖像』(1893)

ピサロが人物画!めずらしい!と思ったらそんなに多くないそうです。
やっぱりあざけ笑うような作品はきっとないのよ。笑

点描のような画風が印象的です。
ジャンヌは娘さんだそう。
着ている服が和服のようで、どこか和を感じます。

レッサー・ユリィ

そして、今日出会って強烈なインパクトが心に残ったのが、レッサー・ユリィ。

名前レッサーパンダみたいだし、苗字ユリィだし、日本人的には女性のようですが、男性みたいです。

印象的な作品がとても多かったです。
展示の順番もユリィにおいしい?気がしていて、展覧会の主催の方は実はユリィを売ることを裏の目的にしているのでは…?と思ってしまうほどです。笑

これまでも出会ったことあったのかなぁ。
きっとあったよなぁ。

『風景』(1900)


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この展示でわたしたちが初めて出会うユリィ作品がこちら。
この作品、撮影許可ゾーンの1作目なうえ、モネのメインビジュアルの『睡蓮』の真隣にあるんです!

バーター感すごい!笑

強烈な光と影のコントラストと、手前の木の幹の色づかいが印象的だなと想いながら見ていまして。

次に、遠くから目に入ったときに強烈に惹かれたのがこちら。

『夜のポツダム広場』(1920年半ば)

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さっきのレッサーパンダみたいな名前の人か!と驚きました。

遠目から見て強烈に惹かれる作品ってなかなかないんです。
深い夜の群青と雨に濡れたアスファルトに反射する黄色の光のコントラストが美しいです。
絵の具の使い方が濃いです。

そして場所がベルリン。ポツダム
ポツダム宣言
つい亡くなった年を見てしまいました。1930年。戦前に亡くなられたのですね…。

世界的に有名な地名となるとはきっと思ってなかった頃のポツダムの姿。
考えちゃいますね。

『赤い絨毯』(1889)

これも素敵だったんです。
裁縫してる女性の後ろ姿の作品なのに、タイトルが「赤い絨毯」。着眼点はそこなんだ。
写実ではない筆致なのにリアリティがあります。
すごいです。

勝手にスポンサー説

グッズのポストカードに選抜されるのってなかなか大変だと思うのですが、ユリィの作品2枚もポストカードになってたんですよ。
『夜のポツダム広場』と『赤い絨毯』。
ユリィのスポンサーが絶対にいると思います。笑

わたしが知らなかっただけで有名なのかな…?
お恥ずかしいことに、目を惹かれたのは今日が初めてでした。

魅力

ユリィの魅力は、クールベほど暗すぎず、というか光の効果はしっかりあるんだけれども、こころに小さな傷を、余韻を残すところだと思います。

決して明るいすーっとした気持ちにはならないのですが、たわしで肌をこすったみたいな痛みが身体に残るというか。

全然存じておりませんでしたが、今日いちばんの出会いでした。
ほかのところでもほかの作品に再会できるときがあれば、今まで以上に注目したいと思います。

年明けにはアーティゾン美術館にも行く予定なので楽しみです。


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帰りにKITTEに寄って見かけたぽすくま。かわいい。