2022.1.3(Mon)
宝塚歌劇 月組
『今夜、ロマンス劇場で』/『FULL SWING!』
at 宝塚大劇場
行ってきました!
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元旦に開幕したばかりの月組トップコンビお披露目公演に、新年早々行くことができました!
お友だちさまさま、ありがとうございます!!
劇場もお正月仕様🎍✨
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今回のお芝居の『今夜、ロマンス劇場で』は、予習にと軽い気持ちで観たところあまりに素晴らしくものすごく気に入ってしまったことを以前書きました。
https://cherryoulife.hatenablog.jp/entry/2021/11/07/153912
モノクロの世界が彩りに満ちていく美しい作品が、どのように舞台化されるのか、とても楽しみにしていました!
見事にスクリーンの世界が舞台の上で生きていました。
泣くの分かっていたので涙用ハンカチを持参で臨みましたが、もう泣きすぎて呼吸困難。
新年初泣きを月組に捧げました。
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キャスト
美雪(海乃美月さん)
なんといっても、美雪役の海乃美月さんが素晴らしかったです。
映画の綾瀬はるかもかわいかったですが、海乃美月さんもとっっっても、かわいかったです。
文字通りスクリーンから出てきたおてんば姫にぴったりでした。
映画の綾瀬はるかのみゆきの魅力がそのまま舞台の上で生きていました。
期待通り、衣装も全部かわいかったです。
似合ってた~!!!
牧野健司(月城かなとさん)
そして主演の牧野健司!
月城かなとさん!
月城かなとさんも、完璧に健司でした。
めちゃくちゃよかったです。
月城かなとさん、あんなに端整なお顔立ちなのに、ちょっとドジな平凡な青年を演じることができるのがすごい。
やさしさとあたたかさと包容力がすごい。
そういえば『川霧の橋』の時もやさしさとあたたかさと包容力、すごかったんだった!!!
帽子を取った後の髪型がめずらしいな、と思ってじいっと観ているうちに気づきました。
前髪をおろしている!ということに。
髪色も暗め。
ラストシーンも前髪はおろしたままで、わたしは前髪をおろした月城かなとさんがとても好きなのだと気づきました。
トップコンビおふたりとも、すべてが素晴らしかったです。
大蛇丸(暁千星さん)
そして、映画には出てこない大蛇丸。
だいじゃまる、って読んでたけどおろちまるだった。笑
でもだいじゃまるっぽくない?(おろちまるです)
おろちまるひらがなで書くとかわいい。おろちまる。
プログラムを見ずに臨んだので、おろちまる出てきた瞬間からそういうビジュアルできたか~!!!って笑ってしまいました。笑
和製トート(?)
登場するだけで笑いが起きるようなキャラなのに、おろちまる爆裂に歌うまくてギャップがすごすぎる。
おろちまる、たいへんにおいしかったです。笑
恋のライバル的な立ち位置になりそうで、でも映画には出てこないからおろちまるのせいでなんかなったらやだ~!!!って思ってたんですが、きちんと話を前に進めてくれるいい人でした。笑
この作品は悪い人が出てこないのもいいところです。
「おろちまるから聞いたよ」
って健司の台詞、真剣なシーンなのにおろちまるの響きのせいでちょっと笑いそうになりました。ごめん。笑
俊藤(鳳月杏さん)
そしてハンサムガイ俊藤は鳳月杏さん!
めちゃくちゃ笑いました!
爆発すると人生観が変わるらしいです。
でもめちゃくちゃいい人。
爆発青年許す(いやケンジ悪くないけど)心の広さ、すごい。
塔子(彩みちるさん)
塔子役は雪組から来られた彩みちるさん!
ええぇ!全然気づかなかったぁ!冴子さぁぁぁん!
映画では本田翼ですが、彩みちるさん完璧に塔子でした。
冴子と同一人物とは思えない。すごい。
山中(風間柚乃さん)
中尾明慶の役は風間柚乃さん!
これも映画の役柄まんまでした。
豆腐屋さんの跡取りだったとは初耳!笑
本多さん(光月るうさん)
ロマンス劇場のオーナーは組長先生!
超よかったです。
本多さんの抱きしめた選択も、健司の添い遂げた選択も、どちらも美しいと、わたしは思います…!
映画の中の登場人物
『お転婆姫と三獣士』に登場するたぬき、虎、鳩も登場。
ビジュアルの幼稚園のお遊戯会的な感じもそのまんま。
オリジナルキャラクターとして、じいややばあや、そして神様も登場します。
お城に大蛇丸が現れたときの、
「じいや、ばあや、名前がないのか!」
「脚本の怠慢です!」
「台詞が鳴き声しかない鳩よりましだろう!」
のやりとりは笑いました。
鳩役の子、柊木絢斗さんかな?
かわいかったよ!!笑
セブンカラーズ
映画にはない役柄としてあったのが、京映の看板娘(?)セブンカラーズ。
セブンカラーズは一体どんな役割なのかと思っていましたが、ストーリーというより演出上の色彩でキーとなる存在なのだなと思いました。
この作品は虹が重要な役割を果たしますが、虹は客席側に架かるので舞台上には出てきません。
その分、舞台上に虹の七色の色彩を与える存在なのだなぁと思いました。
ラストで七色のドレスが見えて泣けました。
センターの緑が結愛かれんちゃんでした。
結愛かれんちゃんは舞台上でも見つけられるなぁ。かわいい。
ストーリー
ストーリーも大きな流れは原作通り。
ストーリーを分かっているので、序盤から
「触ったらあかぁぁぁぁん!!!」
とハラハラしながら見守るという、初見にはなかった楽しみ?方がありました。笑
演出
映画と舞台ということで演出上の都合と思われるところでストーリーは細かいところが変わっていました。
映画との違い
個人的には、お気に入りのシーンがふたつ、なくなってしまって少しだけ残念でした😿
ひとつめは、美雪が自分の秘密を打ち明けるシーン。
このシーンは、美しいロケーションと、綾瀬はるかの台詞が大好きで、そのシーンがなくなってしまったのは残念でした。
代わりに、秘密を打ち明ける役割は大蛇丸が果たします。
そしてもうひとつは、現代でこれまでの伏線が一気に回収されるシーン。
看護師さんたちがお孫さんだと思っていた女性が、実は…………という。
映画ではこのシーンで、変わらない姿の美雪を見せることで初めて、美雪は歳を取らないということに気づかせるんです。
見せるだけですべてを悟らせる演出がとってもよかったんです。
舞台では、看護師の台詞で気づかせてしまう演出になってしまっていてもったいなかったです…。
歳を取らない話も大蛇丸が台詞で担ってましたね。
大蛇丸、重要な役どころですね。
でも、映画だからこそできた演出だったとも思います。
映画は観客の視界を限定できるけど、舞台はできないもんね。
映画の想いを汲み取った上で舞台でいかに魅せるか、考え抜かれた演出だったと思います。
原作へのリスペクトが感じられ、どの方の演技も映画からそのまま出てきたかのようで本当に素晴らしかったです。
舞台ならではの見事な演出に惹かれたシーンもたくさんありました。
舞踏会
映画を観たときから楽しみだった舞踏会のシーン。
幕の映像から舞台へと立体化する演出、素晴らしかったです。
スクリーンの映像がそのまま舞台上に現れた!!!
舞踏会のシーンはきっと宝塚ならお手のものだったことでしょう。
とっても美しかったです。
映像をうまく使うことで、映画のモノクロと色彩豊かなコントラストを舞台でも素敵に再現していました。
ダイナマイト
そして爆発青年ダイナマイト事件。笑
映画ではピタゴラスイッチよろしくなダイナマイトのシーン、舞台ではどうするんだろうと思っていましたが、見事にダイナマイトがスモークの発煙機の中へと運ばれていきました!お見事!!
その後も、美雪が撮影スタジオの小道具を駆使して人に触れられないようにしながら、でも暴れ回るのですが笑、ドタバタの中にも宝塚の舞台での立ち回りが活かされていて、見せ方がとっても上手でした。
ドロップとラムネ
ドロップとラムネも重要な小道具。
キャンディ、ってなっていましたが、ドロップって商標あるのかな?
ドロップが缶に当たるカラカラという音が昭和レトロ感を増していましたね。
指輪がドロップの赤色なところが好きだったのですが、指輪は赤くないように見えました(B席からなので違うかも!)
撮影スタジオ
舞踏会のシーンはヨーロッパのようなのに、撮影スタジオはレトロで、同じ作品でこんなにも異なる世界を観られて素敵だなぁと思います。
(『FULL SWING!』はジャズなので、モノクロ映画の時代のアメリカって感じでこれまた異なるテイストで素敵でした)
大道具の色塗りのシーン、ペンキをどうやって表すのかと思っていましたが、布で再現していて素敵なアイデアだなと思いました!
牧野青年は爆発青年である前にたらい青年でもあるよね。笑
俊藤の懐の広さはさすがです。
ほんとこの作品悪い人がいない。素敵。
シナリオハンティング
シナリオハンティングのおまつりのシーンも素敵でした。
藤の花も美しかったです。
電話ボックスも泣きました。笑
あの狭い電話ボックスから3匹出てきたけど、どうやって登場してるんだろう?笑
赤いかざぐるま、ドロップ、そして薔薇の花。
この作品は赤が重要な差し色になっていますよね。
ラストシーン
クライマックスシーンが印象的すぎて、ラストシーンの存在をすっかり忘れてました。笑
クライマックスだけでも、ハッピーエンドやと思うんよ…!
映画では、お孫さんが……であることを看護師さんが分かっていたかはよく分からなかった気がするのですが、舞台では看護師さんがきちんと分かってくれていたので、急にお孫さんがいなくなってもひどい人!と思われず、消えちゃったんだな、と思ってもらえそうなところはいいなと思いました。
ラストシーンがあることで、これ以上ないハッピーエンドで号泣です。
かぐや姫的ストーリーは悲恋ものがセオリーな中、こんな素晴らしいハッピーエンドあるんか。すばらしすぎんか。
ああ、泣きすぎてしんどい。
ちらっと映画見返したらまた今泣いてます。笑
プログラムの映画のプロデューサーさんのコメントの書き出しが、
こんなことを冒頭から申し上げるのも憚られるのですが、原作となった『今夜、ロマンス劇場で』は決して大ヒットした映画ではありません。
となっていて、そんな!こと!言わないで!!!
と思っていましたが、わたしもきっと舞台化がなければ、映画の中からお姫さまが現れる?なにそれ!と思ったまま観ることはなかったと思います。
しかし、こんなにも美しく映画への愛が伝わる純愛作品は他にありません。
こんなにも素晴らしい作品に、出会えてよかった。
チケット争奪戦に負けてしまい、わたしはお友だちさまさまで観られたのですがほんとみなさんに観ていただきたいです。
映画もぜひご覧いただきたいです。
プライムで観られます!
夜のロマンス劇場。
『FULL SWING!』は余力があれば、また次回!