2022.1.9(Sun)
劇団四季
『オペラ座の怪人』
at JR東日本四季劇場[秋]
観劇してきました!
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明日千秋楽を迎える『オペラ座の怪人』東京公演!
ご縁ありまして、なんと再び観劇することができました…!
ありがとうございます…!
しかも、終わってからきちんと知ったのですが、今日も明日も1回公演だそうで、今日は前楽…!
こんな貴重な公演を拝見でき、大変幸せです。
ありがとうございます。
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しかも………
座席も大変素晴らしいお席でございまして………
人生でこんな至近距離でシャンデリアを拝見できる日が来るとは。
どんごらどんごら上がりゆくシャンデリアを、見下ろすのではなく、見上げる日が来るとは……。
舞台を囲う枠のように設置されているオペラ座の銅像の装飾も、前というより上にあるような形。
近かったです……。
チケットは事前にいただいていたのですが、こんな席で拝見できることが夢のようで、念のためオペラグラスを持って行きましたがもちろん使いませんでした……!
こんな近くで舞台を観たのは初めて。
宝塚を観に行くときもB席が多いので、いつも母に
「S席じゃないと意味ない」
と言われていたのですが、母はきっとこの景色を知ってるんだなぁと思いました。
これは新たな扉開くわ……。
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シャンデリア
目の前で観るシャンデリア、大迫力でした。
マエストロさんも近かったのですが、シャンデリアとマエストロさんの距離もとっても近くて、上がっていくときに頭にぶつかるんじゃないかと心配になってしまうほど。
ジェットコースターに乗っているときに、当たる!と思うけど意外に当たらないのと同じ現象かなぁ。
当たらずにどんごらどんごら上がっていきました。
上から見下ろしていると、客席の真ん中くらいまで上がっているように見えていたシャンデリアは、意外と前方に留まっているのだな、と思いました。
今日シャンデリア落下事故が起きたら、わたしは間違いなく死ぬな。と思う席でした。笑
(というかシャンデリア落下事故は起きるんですが笑、きちんと客席をよけてぐいーんと舞台に向かって落ちていきました)
シャンデリアの仕組みもほんとうにすごいです。
壊れたシャンデリアがひとりでにめきめきと形を、そして光を取り戻していく。
『オペラ座の怪人』はストーリーや音楽の素晴らしさはもちろん、大道具や舞台セット考えた方も天才だと思います。
舞台裏、どうなっているんでしょう。
オークションのシーンではオペラ座の舞台の枠がグレーの幕に包まれていますが、あの芸術的な幕の形状を何度でも再現できる技術、すごいなぁと思いながら見てしまいます。
舞台転換
舞台って、キャストのみなさんの演技や音楽はもちろん、舞台転換や大道具などの世界観を見るのも好きなんです。
近くだからこそ見える景色がたくさんありました。
どんごらどんごらシャンデリアが上がりながら、時を一気に戻してオペラ座へと姿を変える演出も素敵です。
ハンニバル
劇中劇『ハンニバル』、音楽ももちろん衣装も素敵。
カルロッタのドレスもかわいかったなぁ。
美術館でもきらびやかなドレスの肖像画を見るのが好きなので、見入ってしまいました。
早着替え
クリスティーヌが初めて大舞台で歌うときのドレスへの早着替えのシーンもすごく好き。
ドレスは巻きスカートなんだね。
カルロッタの代役の公演が絶賛に終わり、楽屋で真っ白なローブ?に着替えるシーンもとてもよくできていますね。
メグが巻きスカートを広げてあげている。
そして靴も履き替えている。
地下へと向かうシーン
クリスティーヌが初めて地下の湖へと誘われる階段のシーン、階段が左右に上下することで深く深く降りていく様を表現していて素晴らしい演出だな…!と思っていたのですが、あの階段前後にも動いてたんですね…!
全然分かってませんでした。笑
階段こっちに向かってくるからめちゃめちゃびびりました。笑笑
そして戻っていった。笑
地下の湖
ファントムのピアノ、足下の上下してる大きなペダルみたいなのなんだろうって思ってたんですが、アコーディオンなんですね。
はむはむしていた。
オペラ座の屋上
オペラ座の屋上、クリスティーヌとラウルを実はファントムが見ていたシーン。
舞台の枠(?)上段センターの銅像からファントムが現れますが、あまりに近く、斜め上を見上げる形でした。
このシーンを観ながら、わたしは思いました。
ファントムは北風と太陽の北風だな、と。
妨害すれば妨害するほど、クリスティーヌとラウルの結びつきを深くする要因にしかならんのよ。
吊り橋効果なのよ。
でも、それは心のどこかでファントムも分かっているのかなぁとも。ラストシーンを観て思いました。
(ラストシーンについては後でファントムのところで詳しく書きました)
仮面舞踏会
目の前で観る仮面舞踏会、壮観でした。
「MASQUERADE」最高です。
仮面舞踏会でクリスティーヌの仮面を持ち去る方、よく見たらオルゴールのおさるさんの仮装!
ラウルとクリスティーヌだけ仮装のテイストが違っていて、なんだかディズニープリンセスと王子さまみたい。
『ドンファンの勝利』
ここ、入れ替わってんの歌声で気づいて!って毎回思ってしまいます。笑
どこからどこまで、スコア通りの歌詞なのか分からないですが、クリスティーヌの宛て書きだと思うとまた切ないですね…。
音楽
音楽も最高でした。
マエストロさんがほんとうに近くて、オーケストラピットがどうなっているのかものすごく気になりました。
感染対策なのか、客席側からはマエストロさんしか見えないのですが、オケピの幅にオーケストラが収まると思えないし、かといって舞台の地下までオケピ作っちゃうと奈落とかせりに影響がありそう。
意外と前方でも生音よりも上から振ってくるスピーカーの音もきっちり聞こえて、不思議な音響でした。
もっと前から音出てる感あるかなと思ったんだけど。
でも舞台の地下あたりから音が聞こえるような気もしたり。
舞台の地下はオペラ座の地下くらい不思議な空間が広がってるんじゃないかなぁと思いました。
地下へのロマン。(?)
マエストロさん
歌の指導の人がマエストロさんにスコア見せて指示してるシーン、初めてしっかり観ました……笑
マエストロさんもオペラ座の一員として演技(?)されてるんですね。
そういうのもオペラ座を舞台にした『オペラ座の怪人』ならではじゃないかと思い、『オペラ座の怪人』最高だな~!と思いました。笑
キャスト
キャストも前回見たときとは何人か異なっていらっしゃって、また違った『オペラ座の怪人』でした…!
アドリブがあるわけではないのに、ここまで伝わってくるものが異なるのかと驚きました。
マダム・ジリー
マダム・ジリーは前回拝見したときと同じ。
マダム・ジリー好きです。
凜とした漆黒の美しさが魅力ですが、髪型のみつあみがかわいかったです。
遠目だとシンプルな夜会巻きかと思ってたけどみつあみぐりんぐりんでした。
◆ファントムへの優しさもいいですよね。
「あの方もお喜びでしょう」
という台詞に泣けました。
◆仮面舞踏会でみんな華やかな仮装をする中、マダム・ジリーだけ真っ黒を貫いているのもおもしろかったです。
舞台上での視認性的な意味合いもあるかもしれませんが。
◆メグが娘って知らなかったと書いちゃいましたが、序盤に台詞がありましたね。聞き逃してました…!
メグが娘だと言うことを知ってから見ると、クリスティーヌを心配して「家に帰した方がいい」と言うところや、オペラ座の経営方針でもめているシーンなど、2人が一緒にいることが多いのも今更ながら納得です。
マダム・ジリーはおそらく、普段はバレエの先生として厳しく娘に接してると思われるのですが、地下に行ってはいけないという時に、
「メグ」
と呼ぶのが母としての愛を感じます。
メグ・ジリー
そんなメグは前回も今回も同じ方。
中高の同級生に似てる。笑(30年近く生きてると、誰を見ても誰かに似てると思ってしまう…)
近いとどこに出てるかとかもわかりやすく、劇中劇でもしっかり登場していることに気づきました!
カルロッタ
そして、地味に大好きなのがカルロッタです。
『オペラ座の怪人』はカルロッタが死なないのがいいです。
(宝塚版の『ファントム』はカルロッタが死んでしまうので…)
◆今日のカルロッタさん、失礼に聞こえるかもしれないんですけどめちゃめちゃブルゾンちえみに似ていらっしゃいました…!
ちえみ好きなので(今はブルゾンちえみじゃなくて藤原史織さんですが)、愛着を持って拝見してしまいました。
◆カルロッタ、受けの演技がすごく上手でした。
たとえば序盤、ピアンジが歌の指導担当の人に
「“ローマ”じゃなくて“ローム”!」
って言われているのに、その後の披露でも直らず“ローマ”って歌っているのを横で聞いて、目をぱちくりされているカルロッタがおもしろすぎて笑ってしまいました。
あと、上手にいたときの演技もよかったんだけどどういう時か忘れた!
◆仮面舞踏会の時の仮装、はちさん🐝みたいなミニドレス的なのを着ていてキャラに合わずかわいくて笑いました。
◆カルロッタ好きすぎるので擁護派に回ってしまうのですが笑、カルロッタってそんなにおかしなことを言ってるわけじゃないんですよね。
プリマドンナだったら怒るのも納得です。
◆カルロッタって、歌声がけたたましいイメージで笑、清らかなクリスティーヌとは対をなす存在だと思います。
ですが、ファントムの書く曲は、キーもたっかいですし、クリスティーヌが歌っても凄まじいビブラートが必要な曲ばかり。
これはクリスティーヌでもカルロッタ的歌唱が必要なのでは…?
そんなにカルロッタを責める必要はないのでは…?
ファントム、そんなカルロッタけちょんけちょんにせんでも。と思ってしまいました。笑
ほんとに死ななくてよかったです。
ラウル
ラウルは前回と同じ!
声がとても素敵。
クリスティーヌがファントムにキスするとき、今これは絶対ラウルの顔見れんわ…!と思ってましたが今日は見てしまった。(見るなよ!)
ぽかんとしていた。
そらそうなるわな!!!って思いました。はい。すみません。笑(笑うシーンじゃない)
クリスティーヌ
クリスティーヌは前回とは異なる女優さんでした。
近くだったのもあると思うのですが、最初にクリスティーヌが歌い、メグやマダム・ジリーの応援を受けて徐々に本領を発揮できていくシーン、歌声に血が通っていくようで鳥肌が立ちました。
今回は、クリスティーヌの心理について深く考えながら観ていました。
物語でいちばん、心の動きがふしぎなのはクリスティーヌかもしれません。
◆昔を舞台にした作品あるあるで、冷静に登場人物について考えていくと、ツッコミ所が満載になってしまう問題があるかと思います。
『ロミオとジュリエット』とかまさしくそう。笑
『オペラ座の怪人』も例に漏れないと思っています。
そして、そのツッコミ所は主にクリスティーヌへのもの。笑
冷静に突っ込んだら終わりなんですが………
クリスティーヌそっくりの人形を作ってしまうファントム、ストーカー過ぎひん………?
クリスティーヌ、こわないん………?
(もちろん人形に驚いたのはクリスティーヌも同じで、見た瞬間気絶してしまいますが)
目覚めた後、気絶したあとというのに落ち着きすぎてない………?
などなど、言い出したらきりがありません。
そもそも、わたしなら、あの状況でエンジェルオブミュージックに出会っても、ついていかないと思います。笑
ホラー過ぎる。笑笑
◆地下の湖に行く前、ラウルに食事に誘われたクリスティーヌが
「エンジェルオブミュージックはそれは厳しいの!」
って言ってて、過去に何があったのか知らないけどファントムが嫉妬深いことは知ってるんだな、と思ってしまいました。笑
………突っ込み所ばかりになってしまったけど、クリスティーヌにもきっといろいろと葛藤があるのよね!
クリスティーヌの心情理解は複雑で未だ難しいです。
ファントム
ストーリーが分かっているので、入れ替わったファントムが大きな石の指輪を左薬指にしているところからもうその先が分かっているわたしは切なくて泣く。笑
「醜さは顔にはないわ
けがれは心の中よ」
きっとクリスティーヌが言いたいのは後半なんだけど、ファントムは前半の言葉に心綻んでしまったと思う。
このあと「ゆるさない」って言うけど、きっとこのあたりから結末へと向かう心に変わっていき始めるんじゃないかなぁ。
顔が醜くなければ心もけがれなかったとも思う。悲しいね。
違い
キャストさんによって、最も違いを感じたのがファントムだったなぁと思いました。
前回のファントムさんは、滲むような怒りや、震えるほどの悲哀がとてもよく伝わってきて、とっても素敵だったんです。
今日のファントムさんは、なんと言いますか、子どもの心を持ったままのファントムだったなぁと感じました。
ラストシーンで、クリスティーヌに
「選べー!!!」
って言ってる前後くらいから、右手の指がぴろぴろ動いてて落ち着きがないんですね。
いすに座ってるときも肘掛けの上で指がかたかた動いてる。
きっと、心の中ではこんなことしててもどうにもならない、クリスティーヌの心は手に入らないことが自分でも分かっているのでしょう。
でも、動き出してしまったからには止められない。
自分の左側にいるクリスティーヌからは見えないように(なのかなんなのか)ずーっとそわそわ落ち着かず動いている右手の指を見ながら、彼にもきっと葛藤があるんだなと思いました。
「選べー!!!」
の言い方もすこし子どもっぽい。
クリスティーヌに抱きしめられたときのロボットみたいなあわあわした動きも、初めて愛を知った子どものようでした。
クリスティーヌが去った後の歩き方もカクカクしていて、厚く張っていた心の氷が溶けていく過程なんだろうなと思いました。
オルゴール聴いてる時も切なかったです。
クリスティーヌ戻ってきたときに気づいたときのファントムも見ていてつらかった。
ファントムを選んだと思うよな。
ちがうねん。
指輪を返しに来たんや。
悲しすぎるな。うんうん。(もはや視線が母←?)
後ろで船に乗るクリスティーヌとラウル、前で泣くファントムのシーン、悲しすぎました…。
でもこれもクリスティーヌの優しさだと思います。
指輪がクリスティーヌの手元にあったら、きっとこの先ファントムはそれをよりどころにして生きてしまうだろうから。
カーテンコール
ラストのカーテンコール。
ファントム、ラストシーンはウィッグも仮面も取ってるのにカーテンコールでは復活するからそれだけで泣けてしまう。笑
今日は前楽だからか、最後の演奏が終わったあとだったかな?にファントム、クリスティーヌ、ラウルが幕の向こうから出てきてくださったり、その後全員また登場してくださったり、長かったです!
ほんとプレミアムな公演を拝見できてうれしいです。
ありがとうございます。
そして、後ろから聞こえてくる客席からの、文字通りの割れんばかりの拍手にも胸を……というか、背中を打たれました。
今は声が出せない時代だけれど、人の拍手ってこんなにも背中を押されるような力に溢れたものなのだなと思いました。
難しい状況だけど、こうして公演を開催してくださり、そして観劇できてよかったです。
ありがとうございました!
明日はついに千秋楽。
素晴らしい千秋楽となりますように!
🌹前回観劇の記事はこちらです。