*SAKULIFE*

音楽と桜とミルクティーが好きな社会人が、日々の想い出やお気に入りをしまっておく宝箱。

『ウエスト・サイド・ストーリー』

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『ウエスト・サイド・ストーリー』観てきました!

ロミオとジュリエット』が大好きなので、映画館で観たかったのです。

『ウエスト・サイド・ストーリー』は、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』を軸に、舞台を当時のニューヨークに移した物語。
人種の違いから対立する2つのグループの男女が恋に落ちてからの2日間を描きます。

1961年に一度映画化されており、今作は60年ぶり2度目の映画化。
監督はスティーヴン・スピルバーグ
数々のヒット作を手がけたスピルバーグがなぜ今、『ウエスト・サイド・ストーリー』を再映画化しようと思ったのか。
大きな意味を感じずにはいられません。

宝塚

『ウエスト・サイド・ストーリー』は宝塚でも何度か上演されていますが、権利関係が厳しく一切映像化されていません。
わたしがこのことを知ったのは6歳の時。
家にあった1998年月組公演の公演パンフレットを見まくり、
「映像が観たい!」
と母に言ったところ、
「『ウエストサイド物語』は著作権が厳しいから映像にならへんねん」
と言われてしまったのです。
著作権“という言葉を覚えたのはこの時だったかもしれません。

しかし、この時プログラムを見まくったことで、当時の月組の方のお顔と名前はほぼすべて覚えることに。

今日も観ているときに、

リフ…………初風緑だった気がする…………!(大正解)
アニータ…………樹里咲穂…………!(これも大正解)

と、6歳の記憶が多々蘇りました。
六つ子の魂三十まで………。

リフは初風緑のイメージが強かったのですが、映画は線の細いあっさりした顔立ちの方が演じられているので意外でした。笑

映像がないことで、なかなか観る機会がなかったので、ついに!観られてよかったです。

映画

映画は、『ロミオとジュリエット』のストーリーを比較的しっかり覚えているということもあり、『ロミオとジュリエット』と照らしながら観ました。

チノが出てきた時に
「パリス伯爵か………シェイクスピアの原作(昨年プレイハウスで観た版)では死んじゃってたけどどうなるん………」
と思ってたら、最後あんなことに………。

ストーリーは『ロミオとジュリエット』もそうなんですが、冷静に観てしまうとツッコミどころがありすぎて……。
ロミオとジュリエット』も、ロミオがティボルト刺した瞬間にすっとロミオへの気持ちが冷めてしまいます。
トニーもそう。
人殺してしまったらもう庇えんのよ。

特にマリア……あんた兄殺されたんやぞ……兄より昨日出会ったばかりのトニー優先なのはどうかと思います……。

いちばん気の毒なのはアニータだと思うんです。
それでもマリアの気持ちを受け止める強さよ。

最終的にすれ違いのきっかけとなる嘘をついてしまうけど、あれはジェッツの面々が最悪すぎる……。

もしも2人が結ばれる未来があったとしても、結果的にアニータの警告が正しかった、ということもありえると思ってしまうわたしは穢れた大人かもしれません。
たった2日間の物語ですからね。
無事に逃げられたとしても、喧嘩ばかりの毎日かもしれません。(悲観的すぎるかな)
みんな展開早すぎ、死に急ぎすぎなんよ………。

ロミオとジュリエット』との違いでいちばん大きいのは、トニーとマリアが一目でも会えたこと。
あれがあったから、アニータの嘘も許される気がします。

トニーは人を殺してしまっているから、何らかの罰を受けることは避けられなくて、罪を償うか、あの場で死ぬか、その二択しかなかった気がする。
(ロミオの時も同じことを言いましたが)

また、この作品は人種問題やセクシュアリティの問題を内包していますが、時代的に”新作“として受け入れられるのは今がギリギリかなと思いました。
個人的にはアウトです。

特に、セクシャルマイノリティなのかな?身体の性は女性なのに心は男性(と思われる)(男性の服を着てる)の人物が揶揄されるシーンがあるんだけど、あれは今の時代にやってはいけないと思います。
あえて入れてると思うんだけど、あのシーンは心が痛くなりました。

フィクションだから、時代設定が現代ではないからと、割り切る観客側のリテラシーも必要なのは分かってはいるのですが、拭えない違和感が感情移入の邪魔をしてしまいます。

でもこれを言い出したらきりがないストーリーではあるんですが。

音楽

感情やストーリーの整合性や時代の違いを払拭させる力を持っているのが、音楽とダンスシーンだと思います。

音楽もダンスも素晴らしかったです。

ジェッツ、シャークスそれぞれが華々しく踊り狂うダンス会のシーンはとても素敵でした。
生演奏でびっくり!豪華なダンス会だなぁ。
ダンスのジャンルに明るくないので分かりませんが、きっとヨーロッパ系、プエルトリコ系それぞれのルーツのダンスを踊ってるのよね?

「Tonight」は名曲ですね。
ずっと頭を巡っています。
ポスターのシーンで歌われる名曲ですが、このシーンのトニー、落ちたら死ぬよって思う笑

「America」も好き。
女性の方が都会の生活に順応していて、男性の方は田舎に帰りたがるこの傾向は世界共通なんだなぁと不思議な気持ちになりました。
女性がきちんと手に職をつけて自立しているのはいいですね。

素敵な映画でした。