*SAKULIFE*

音楽と桜とミルクティーが好きな社会人が、日々の想い出やお気に入りをしまっておく宝箱。

『NEVER SAY GOODBYE』


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2022.4.24(Sat)15:00

宝塚歌劇 宙組
「NEVER SAY GOODBYE」
at 東京宝塚劇場

行ってきました!

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先行で確保できていた公演。

前日にLa'cryma ChristiのKOJIさんの発表があり、感情に少しでも隙間が空くと泣いてしまう心理状態で、物語の進行に関係なく泣いてしまう場面も何度もありました。

でも、2回目だからこそ物語の解像度が上がり、理解も深まりました。

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情緒不安定でふとしたときに思い出しては泣いてしまう。ジョルジュが生い立ち歌うところからもう泣いている。
死が常に隣にある戦争の物語は悲しい。
戦争と病気は異なるけれど、内戦が始まってからは常に死と隣り合わせの空気が心をやられる。

女性と子どもが立ち上がるところは何度観てもつらい。
キャサリン
バルセロナの民衆は今日も明るく生きています!」
と伝えるけれど、戦いの訓練をしながら生きる姿は、いくら明るくとも決して平和な光景ではない……と、日本のわたしは思ってしまう。

音楽に台詞を乗せられると音楽を聴いてしまって歌詞が全く聞き取れなくなるんだけど、どうやら今回は特にその姿勢だと物語の詳細が分からないようす。
今日は意識的に歌詞を聞き取るようにした。
すると、物語の解像度が上がる上がる。
人民オリンピックの説明も、途中でしっかりなされていた。

以前、舞台版『千と千尋の神隠し』のプロデューサーの方が、テレビで
「登場人物が、人には言えない心の内を打ち明けるのが歌」
とおっしゃっていた。
『キンキーブーツ』はそのセオリーに当てはまるなと思うけど、この作品は、語りや会話が歌になっている。

台詞を聞けば聞くほど緻密に練られたロジカルな脚本であることが分かってくる。

キャサリンとエレンの対比、そしてジョルジュとキャサリンが惹かれ合う理由がロジカルに語られている構成好き。

ジョルジュ、冷静に見るとエレンに対してもキャサリンに対してもあんまりいい男ではないような気がするな…。
キャサリンに対しても独占欲が酷くて、いやキャサリンと元夫の別れた理由聞いたよね?って思う。
そりゃ女性の社会進出が難しい時代だったろうけどそれにしてもどうかな~
真風さんは素敵だけど、ジョルジュの人としての魅力はちょっと謎かも。
「写真撮ってるだけ」ってヴィセントの台詞も分からなくもない。

難しい物語の内容は、台詞と歌詞でしっかりフォローされているんだな。
歌の力に圧倒される。音楽もよい。

物語の主軸は国を守りたい労働者たちなのに、結果的に戦争に勝つのは反乱軍。
民衆側が分裂し混乱が起きたこと、アギラールが死んでしまって求心力が衰えたのも敗因なんだろうか。

アギラール、ひとつひとつの台詞はどれも間違ったこと 言ってない。
台詞の言葉だけ取ってみればジョルジュと同じこと言ってる。
アギラールの欠点は自身の正義を貫いたところではなく、キャサリンを自分のものにしようとしたところなんだろうな。
私欲を優先するがあまり消されてしまった。

そう思っていたら、大劇場プログラムの桜木みなとさんのコメントはまた違っていて、桜木みなとさんはまた違った解釈で演じられているのだな、と思った。

お祭りの時にキャサリン取り返されてしまうシーンはめちゃくちゃ笑ってしまった。
すごい持ち上げられていい気分になってらっしゃいますけどキャサリン奪われてますけど、、笑
アギラール、ここだけちょっとマヌケ。

フィナーレは桜木みなとさん服に!色が付いて!よかったねえええ!と思った。

宝塚は帽子被ってても後から絶対外してくれるから優しい。

桜木みなとさんのフィナーレの髪色とてもよい。素敵プリン。根元を残して染めてるかんじかな?
『Fire fever』の時の朝美さんもあんな感じのカラーで好きだったな~

朝、カフェブレイク桜木みなとさん観てからの観劇だったから結構桜木みなとさん寄りで観てた。笑

そんな桜木みなとさん演じるアギラールを殺してしまう夏美ようさん、よく見るとヴィセントの実家の中入ったときからずっと胸に手を差し入れてて不穏すぎる。笑

そして潤花ちゃんは爆裂にかわいかった。世の中悲しいことばかりなので潤花ちゃんのお顔のかわいさは大変な癒しであった。浄化された。めちゃめちゃお顔が好き。
歌声も力強くて心震えた。やはり彼女は強い女。

潤花ちゃんが二役の意義、潤花ちゃん好きなわたしみたいなのが最初も最後も観られてわぁ😊以外のメリットが分からん。
二役の意味あるのかな?早着替え大変そう。

最後もキャサリンじゃなくて孫で、ジョルジュ一人で終わるの寂しいな~
だからこそお祭りのダンスシーンがあるのかな。あこ美しくて好き。

潤花ちゃん走り方が全力でかわいい。
ピーター?と別れて下手に走り抜けるときも全力。お姫様の時後ろに走り抜けるときも全力。かわいい。

お祭りのシーン、物語的にはバルセロナにルーツのないふたりが王子様とお姫様を演じる必要性はないと思うから、トップコンビのサービスシーンなのかな。幻想的で美しい。

そして操り人形を操作するタカラジェンヌたちかわいい。薔薇を渡すお人形🌹
あれはお人形ではなく人でもよかったように思うけど、なぜお人形なんだろう?
リプライズとの対比かな?

ビセントの実家のシーンはジョルジュとキャサリンが手をつなぐまでの過程を見守ってしまい、みんな大事な話してんのにごめんってなりました

キキさんほんとうにかっこいい。脚長すぎる。なのにお話しされるとほんわり朗らかでとても素敵よね。

歌もすごくよかったな~~~
フィナーレの頭のキキさんのラストのロングトーン?ビブラート?心震えまくった。土曜日の2公演目なのにあの声量すごすぎる。
宙組は皆さん歌が上手だなぁ。桜木みなとさんもかっこよかった!
合唱のデクレッシェンドとクレッシェンド具合が演奏含めとてもかっこよかった!

今手元にプログラムがないけど、天彩峰里ちゃん2幕はフィナーレ以外出てこない、、、?!
帰国しちゃったしね、、?!
フィナーレで真風さんと組むのもエトワールなのも、天彩峰里ちゃんの出番が少ないからなのかも?となんだか納得?した!
潤花ちゃんデュエットダンスまで出てこないの寂しいけど、潤花ちゃんは二役だし出づっばりだもんなぁ。

しかし、やっぱり動乱の中の人々の心理は平和ぼけしたわたしには分からない。わたしが一番共感できるのはやっぱりエレンだな。そりゃ帰りたいよ。
オリンピアーダの覚悟もすごすぎてキキさん「所詮外国人だ!」みたいに言うけどそうなの外国人なのよ。
ここまで戦ってきたことの方がすごいよと思うよ。そりゃ帰りたいよ。

今日は潤花ちゃんの
「戦争が終わってからでもできるわ」
って台詞への真風さんの
「戦争はいつ終わるか分からない」
って台詞が深く刺さった…
ほんと、いつ終わるか分からない。

最近思うけど、戦争が終わるとか、勝った負けたってなんなんやろうね
例え勝ってもそこには必ず犠牲が伴ってる

ストーリーの濃厚さとか緻密さ、登場人物がみんな聡明だったり意志が一貫していて、ロジカルに、そして志に向かって真っ直ぐ動くところとかはとても好きなんだけど、どうしても戦争を題材にしているだけにダメージを食らう作品……。

でも、『fff』の次くらいに好きなお芝居かも。
台詞のロジカルさや緻密さが好き。

観られてよかった。