*SAKULIFE*

音楽と桜とミルクティーが好きな社会人が、日々の想い出やお気に入りをしまっておく宝箱。

「fff ーフォルティッシッシモー」 ~歓喜に歌え!~ 「シルクロード~盗賊と宝石~」


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2021.1.12(Tue)

宝塚歌劇団 雪組公演
「fff ーフォルティッシッシモー」
歓喜に歌え!~
シルクロード~盗賊と宝石~」
at 宝塚大劇場

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雪組トップスター・望海風斗さんと真彩希帆さんの退団公演。

誠に僭越ながら、わたしも拝見することができました。
貴重なチケットをとってくれた友だちに感謝です。
ありがとう。

本当に、素晴らしかったです。

ここ数年で何度か宝塚を観劇してきましたが、
「組としての力」を感じたのはこれが初めてでした。

望海さん、真彩さんとの最後の作品を最高のものにする、という雪組の想いが、舞台全体から圧倒的なパワーとなって放たれているのを感じました。

わたしのようなふらっと訪れた者がこの言葉を口にするのはおこがましいのですが、
雪組の集大成」
という言葉がぴったりだったように感じます。

本当に、本当に、本当に。
素晴らしかったです。

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お芝居とショーの2本立ての作品を拝見したのが、実に22年ぶりでした。笑
(6歳の時に1回だけ観劇した月組の「黒い瞳」は2本立てでした)

「f f f -フォルティッシッシモ-」
歓喜に歌え!~

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ベートーヴェンの生涯を、影響を受けたナポレオン、ゲーテとの精神的な対話や、少年時代からの半生、そして、ベートーヴェンの前に現れる“謎の女”とのやりとりを軸に綴る作品です。

抽象的・回想的な場面が多く、舞台表現ならではの作品だと感じました。
映像だと、この作品に詰まった魅力のすべてを伝えきることは難しいだろうなと思います。

難しい状況の中、なかなか生の芸術に触れることが難しくなっていますが、生でしか味わえないもの、生でしか体感できないもの、共有できないものの尊さを、より実感できる作品であるような気がします。

素晴らしかったです。

抽象的なシーンが多い分、舞台をダイナミックに活用した美しいフォーメーションでの場面が多く、それが涙を誘います。

トライアングル

主人公、ベートーヴェンを望海風斗さん。
ベートーヴェンが憧れたナポレオンを、次期トップスター彩風咲奈さん。
ベートーヴェンが傾倒したゲーテを、今回退団される彩凪翔さん。

が演じられているのですが、開始5分でメインキャストの望海さん、咲奈さん、なぎさまの3人が揃って舞台に登場した瞬間泣いてしまいました。

トップ、2番手、3番手の配役が、ここまで均整のとれたトライアングルの関係性になることは、なかなかない気がします。
この配役の美しさも、雪組の集大成感を感じさせる要因になっていると思います。

“謎の女” 真彩希帆さん

そして、“謎の女”真彩希帆さん。

初登場の場面が姿ではなく、歌声。
その歌も、歌詞のあるものではなく、メロディーを歌う曲が非常に多いという、素人目にも分かる難役です。
真彩さん以外にこの役を演じられる方、いるのでしょうか…。

わたしは真彩さんが好きです。

まっしろに澄んだ歌声が大好きです。
そしてかわいい。果てしなくかわいい。

“謎の女”は、真彩さんの雪のようにまっしろな歌声と、キュートな魅力をどちらも持ったすごい役です。

配役のすべてが今の雪組だからこそできる、今の雪組でしかできないと思わせる作品で、雪組への愛をとても感じます。

音楽

作中ではベートーヴェンの音楽がたくさん使われています。

わたしはクラシックに明るくないので、ベートーヴェンの楽曲も絶望的に楽曲とタイトルが一致しないのですが、ベートーヴェンに詳しければ、もっと楽しめたんだろうなぁ、と自分の学のなさにすこし落ち込みました。

今は録音演奏ですが、生オケで聴きたかったなぁ……と思わず思ってしまいます。
生オケがないからこそ、オーケストラピットを活用した演出もあるので一概には言えないのですが…。

もし、生演奏なら、あのシーンはオーケストラのみなさんが参加されたりしていたのかなぁ。
たらればを言っても仕方ないけれど、どうしても考えてしまいます。

月光

「月光」を聴くとLUNA SEAを思い出します。
青い照明に染まる景色と「月光」がぴったりでした。

運命

物語の重要な鍵を握る楽曲が「運命」。

観劇後に友だちから聞いたのですが、劇中の扉のノックの音が4回で、「運命はかく扉を叩く」という台詞に由来しているのでは?という説があるらしいです。ありそう。
創り込みがすごいです。

ゲーテ

台詞が哲学的で、心に響きます。
ゲーテがとてもよいです。

途中「若きウェルテルの悩み」の劇中劇が入ります。
贅沢な構成だなぁ。

劇中劇といい、抽象的なシーンや回想シーンも含めてとても濃厚な構成で、2本立てのうちの1本とは思えないくらい重厚でした。
音楽だけでなく、わたしが気づき切れていない濃密な創り込みがあると思います。すごい作品です。

ナポレオン

ナポレオンとベートーヴェンが、ロシアの雪原で対話するシーンがあるのですが、ベートーヴェンとナポレオンの思想の違いが、聞いていてとてもおもしろかったです。

ナポレオンは時代の先を行きすぎていたのかな、と思ってしまいますね。
地球の裏側にも一瞬で情報が届けられる今の世にナポレオンが生きていたら、ナポレオンが思う世界は実現できていたのかもしれない。

「音楽と戦術は似ている」

2人の対話は「音楽と戦術は似ている」という話に帰結するのですが、このシーンの舞台での魅せ方も美しかった。
舞台でしかできない表現。

この状況下で、このような“舞台でしかできない”表現を観ると、舞台という総合芸術に圧縮された、舞台人の熱と力強さを目の当たりにしている感覚になります。

ナポレオンの戴冠式

時間が前後しますが、ナポレオンの戴冠式のシーンはダヴィッドの絵画をベースにしていてとてもテンションが上がりました。

「会議は踊る」

ウィーン会議での「会議は踊る」という台詞が出てきたのも心躍りました。

「会議は踊る、されど進まず」
世界史で学んだなぁ。
(未だに記憶の隅から引きずり出せるような知識を与えてくださった世界史の先生には、頭が上がりません…)

ベートーヴェン 望海風斗さん

素晴らしかったです。
完璧でした。

あまりに完璧すぎて言葉にならないです。

でも、この、六角形の雪の結晶のように美しく完璧な雪組を魅せていただいたのは、中心の望海さんが完璧だからだと思います。

真彩さんと、いつまでもトップコンビでいてほしかったです…。
でもそれも、“運命”なんだなと思います。

演出

今回はどちらも新作ということで、演出家の方の想いにも心を寄せて拝見しました。
「脚本・演出」ってすごいですよね。

なにもかたちがなかったところから、これだけの総合芸術を生み出していく…。
ストーリーや舞台の構成に加え、ミュージカルだから音楽もある。

魅せ方が緻密に練られているのが観ていて分かるからこそ、演出家の方ってすごい…!と思いました。

今日はいつも以上に、物語と音楽、そして舞台の融合ってすごいな、と感じながら拝見していたのですが、身近に、同じことをいつもされている方を思い出しました。

そう、AKIHIDEさんです。

AKIHIDEさんも、物語と音楽、そして舞台=ライブの融合を実現されています。
宝塚を拝見して改めて、AKIHIDEさんのすごさを実感しました。

帰ってきてから、演出家の上田久美子さんのプログラムのコメントを拝見して、その想いに触れ、泣いてしまいました。

歓びの歌

そしてラストの第九。
わたしは「歓びの歌」として覚えているのと、ラストが「歓びの歌」と呼ぶにふさわしいシーンだったので、「歓びの歌」と呼びたいと思います。

あらすじをきちんと読んでいなかった&ベートーヴェンに明るくなさすぎるせいで、観ながら
(あれ?歓びの歌ってベートーヴェンだよね?出てこないのかな?)
と思っていた自分を殴りたい。

あらすじを読めば、

それでもなぜ彼は、至上の喜びを歌う「第九」を完成させることができたのか。

って書いてあるのに……。

最後に「歓びの歌」が出てきて、

そういうことか~~!!!!!

って思って、めちゃめちゃ泣きました。

わたしの場合、あらすじは読まなくて正解だったかもしれません。

多幸感迸る大団円なラスト、素晴らしかったです。
後ろの黄金の華?太陽?がまばゆい光を放っていました。
そのまばゆさが、「歓びの歌」の世界にぴったりでした。

めちゃめちゃ良かったです。
あんなにも光に溢れているのに、涙が止まりません。笑

 

シルクロード~盗賊と宝石~」

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22年ぶりに拝見したショーということで、ショーの読解力が低くてあまりストーリーは分かっていない気がしますが楽しかったです!
(基本的に音楽の歌詞を聞き取ろうとしないのでそりゃ話の意味も分からないわという……)

シルクロードに乗ってシルクロード沿いの国々を旅している、という理解でよろしいのでしょうか。
異国情緒溢れるそれぞれの国々の世界がとても美しく、素敵でした。

望海さん、真彩さんのラストを飾るだけでなく、次期トップの彩風咲奈さん、朝月希和さんにバトンを渡すかのような演出もあり、もう泣くしかありません。

シルクロードは見出しをつけるのが難しいので、箇条書きで書いていきます。

◆七夕のようなお衣装の咲奈さんと朝月さんの時点でグッと来ていたのに、
望海さんと真彩さんの後ろのまっしろな咲奈さんと朝月さんんんんんんんんんんん(号泣)

◆しかも望海さんの青い薔薇、真彩さんに渡すんだと思ってたら、、、、うわあああああああああああああああん(大号泣)

◆薔薇を渡された後の男役の群舞?とても素敵でした。
これからの雪組を託された感がありました。
なぎさまは退団してしまうのが悲しいけど…。

◆そして真彩さんの ラップ!!!

ラップ!!!
宝塚で ラップ!!!
真彩さん ラップ!!!

しかも真彩さんの歌唱力とラップのコラボレーションやばい。
真彩さん ラップってそんな声量でするもんじゃないですうううううう
真彩さんの凄まじい声量で繰り広げられるラップがすごすぎて、もう頭の処理が追いつきません。

すごすぎます。
あんな声量でラップする方人生ではじめて観ました。
めんたま飛び出るとはまさにこのことです。

◆しかも、その後は望海さん、真彩さん、咲奈さんの3人でのタンゴ。
これだけ歌のお上手なトップコンビのおふたりと、咲奈さんの3人が、歌わずに踊る時間を拝見できるって、なんて贅沢なんでしょうか…。

◆望海さんと真彩さんのデュエットダンス、しろいぃぃぃ
美しいぃぃぃぃぃ
うわあああああああああああん(号泣)

演出

生田さあああああああああん
反則ですううううううううううう

プログラムのコメントを拝見し、また泣きました。笑

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素晴らしい公演でした。

わたしが宝塚での望海さん、真彩さんを拝見できたのは、今日が最後になると思います。

本当に、拝見できて幸せでした。
お友だち、本当に本当にチケットありがとう。

今日という日の記憶を大切に、これからも生きていきます。
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