前日から、
「明日は雨だよ」
と会社で話題になるくらいの大雨の金曜日。
絶好の在宅日和だ。
しかし、わたしはこんな日に限って1日外回り。
しかも、こんな日に限ってアポつめつめ。
しかも、駅からちょっと歩くところばっかり。
担当先の前の屋根のあるところで、バッグをきゅきゅきゅと拭いて、紙袋の持ち手に留めたアンブレラポーチに折りたたみ傘をしまう。
(わたしはおおきな傘が刺さりそうで苦手で、傘は折りたたみ傘しか持っていない)
担当先に入ろうとする度にバッグの雨粒を拭いていると、
「よくこれだけ飽きもせずぼたぼたと滴を落としてくれますな!!!」
と雲に向かって言いたくなる。
そのくらい、まるまる、ずーっと雨な1日だった。
雨の日は空が重たい灰の色をしているし、地面に落ちていく雨の軌跡が視界のじゃまをするから、全体的に景色がグレーがかって見える。
そんなグレーフィルターの景色を歩き、駅から数百メートル離れた担当先へ向かう途中、突然、鮮やかすぎる青が目に飛び込んできた。
その青は、雨色フィルターなんぞはやすやすと突き抜けて、凛と存在感を放っていた。
紫陽花である。
酸性の濃度が絶妙に違ったのか、青、薄青、紫と、花によって色が異なる。
紫陽花を好きな人がいて、紫陽花の話をよくされているのだけれど、わたしはあまり紫陽花になじみがない。
というのも、紫陽花が咲いているところに遭遇することが少ないのである。
仕事柄、道端を歩くことが多いが、仕事で歩いた道で紫陽花が咲いていた場所は1箇所しか思い出せない。
つつじはものすごくたくさん見かけたのに。
道端で出合う紫陽花はとてもめずらしいので、傘を差しながら必死に写真を撮った。
あお、
むらさき、
うすあお。
(雨降る中片手に傘を持ちながら、片手で必死にシャッターを切ったので写真はあまりうまくないが)どれも美しい。
視線をあげると、紫陽花の頭上には紅葉の葉が。
美しい青もみじ。
青もみじも好き。
しかし謎がひとつ。
???
この、紅い双葉🌱はなんだろう?
どう見ても葉っぱは紅葉だけれど、もしかすると別の品種のものかと思い調べてみたら、なんとこれは紅葉の種なんだそうだ。
プロペラのように飛んでいくらしい。
たしかにタケコプターみたいな形をしている。
恥ずかしながら、30年近く生きてきて初めて見た。
秋から冬にかけてちやほやされる紅葉。
きっと、秋になれば、緑の葉たちも真っ赤に染まって地面に落ちていくんだろう。
たまたま見つけたこの場所は、一畳くらいの小さなスペース。
きっと秋になれば紅葉が真っ赤に染まって葉を落とすんだろう。
季節毎に紫陽花と紅葉がそれぞれに彩りを変え、四季のめぐりを教えてくれる。
一畳の四季は、この道を通る人の心に、四季折々の鮮やかな色を添えてるんだろうなぁ。