*SAKULIFE*

音楽と桜とミルクティーが好きな社会人が、日々の想い出やお気に入りをしまっておく宝箱。

『今夜、ロマンス劇場で』

今夜、ロマンス劇場で

今夜、ロマンス劇場で

Amazon Primeにて視聴しました。

来年1月から宝塚大劇場で上演される、月組新トップコンビお披露目公演の原作です。

映画監督を夢見る青年・牧野が密かに想いを寄せるのは、遙か昔の映画に登場するお姫さま。
行きつけの映画館・ロマンス劇場に入り浸り、繰り返しその映画を観て過ごす牧野ですが、映画のフィルムが売られてしまうことに。
牧野は最後の上映を開始します。
すると、悪天候の影響?で突如館内が停電。
なんと、スクリーンの中にいたはずのお姫さまが目の前に現れたのです。
お転婆姫と三獣士』という映画のタイトルの通り、お姫さまはとってもおてんば。
現実世界、そして牧野が働く撮影所で大暴れ。
最初は衝突するふたりでしたが、モノクロの世界に生きるお姫さまにカラフルな世界を教えていくうちに、お互い惹かれ合っていきます。
しかし、お姫さまには秘密があって………。

というお話です。

こういったかぐや姫系の物語は、いつか別れの時が来てしまうのがセオリー。
しかし、この作品はひとひねり加えられていて、精巧な仕掛けが施されています。

わたしも宝塚で現代ものってピンと来ないし、映画の中の人物に恋する青年って!スクリーンから飛び出すって!どういうこと!と、正直あまり期待はしていなかったのですが、観終わる頃には呼吸困難レベルで嗚咽してしまいました………途中泣きすぎて息をするのがとてもしんどかったです。笑

スクリーンから映画のお姫さまが出てくる、という設定の時点でファンタジーなのに、途中からファンタジーであることを忘れさせるリアルな恋愛映画になるんです。

とても素敵な作品でした。

映画

オープニング

オープニングは、劇中劇となる映画の世界から始まります。
モノクロだけれど、きっと豪華なお城のシーン。
ついつい、宝塚で舞台化される時の演出を考えながら観てしまいます。

オープニングはとても宝塚映えしそうです。
舞踏会のシーンとか差し込まれそうな予感です。

映画の世界がモノクロであることが、序盤のキーとなるのですが、そのあたりの演出がどうなされるのかも注目です。
綾瀬はるかがポスターのドレスを着ていてとっても美しいです。

宝塚版もポスターが映画版の再現なのです。再現度超高い。

少しデザインが異なりますが、海乃美月さんのドレスもかわいい。
楽しみですね。

昭和レトロ溢れる世界観

現代ものかと思っていたのですが、現代の場面はわずか。

物語の中心は昭和35年
映画の撮影所が舞台となっていることもあり、昭和レトロ感溢れる世界観がとても素敵です。
昭和レトロの世界が宝塚で舞台化されるのは、とても新しい試みではないでしょうか。
今からとても楽しみです。

先日観に行った『キネマの神様』も昭和の撮影所を舞台にしていることもあり、共通点が多かったです。
昭和の撮影所が出てきたり、現代と昭和がクロスオーバーしたり。
『キネマの神様』で登場するシナリオも、スクリーンの中から女優が目の前に現れるストーリーなんです。
この作品の影響を受けているのでしょうか。

綾瀬はるかの衣装

昭和レトロを語る上で外せないのが、お姫さま・美雪を演じる綾瀬はるかのスタイリングです。
劇中とにかくいろいろなお衣装を着ているのですが、そのすべてがどれもとってもかわいい。
どれもとてもお似合いでした。

クレジットに“ヘアメイクデザイン(綾瀬はるか)”って方がいらして、綾瀬はるか専属の(まではよく見るけど)ヘアメイク“デザイン”………?!
と驚いたのですが、たしかに髪型もすごく凝っていました。

美雪役はトップ娘役・海乃美月さん。
海乃美月さんのお衣装、そして鬘も楽しみです。

カラフルな世界

モノクロの世界しか知らない美雪に、牧野は美しい世界をたくさん見せます。
青空。虹。赤い薔薇。おまつり。藤の花。そして蛍。

シナリオハンティングと称して、美雪にいろんな色を見せてあげながら、ふたりが心を通わせていくシーンがとても美しかったです。
宝塚だとステージが回転したりするのかな?

特に赤がキーカラーになっているのかな?
キーポイントとして登場する細長い楕円の真っ赤なドロップは、牧野が美雪に渡そうとする指輪の宝石の形ともリンクしていて美しかったです。

美雪の秘密

美雪の秘密については触れませんが、秘密を知ってから、物語が大きく動き出し、何気ない台詞のひとつひとつが伏線だったことに気づきます。

ううぅぅ…………!

おじい………!😭😭😭
(ダブルの意味で、おじい…………!😭😭😭)

きっと、生卵を大切に大切に持ち続けるかのような繊細な日々だったと思うんです。
泣ける……………。

😭😭😭

これ以上は書かないので、どうか映画をご覧になってみてください。

宝塚版への期待

現代もの、そしてかぐや姫系の物語への期待がそこまで高くなかったせいで、観に行くか悩んでいたのですが、原作を観終わった今、

観る!
絶対観る!😭😭😭

という気持ちになっています。

気になるキャスト

宝塚版で気になるのは、演出はもちろんですがやはり配役ではないかと思います。
現在分かっているのはトップコンビと鳳月杏さんだけなんですね。

牧野…月城かなとさん

牧野役はもちろんトップスター月城かなとさん。

坂口健太郎さんの薄めなお顔立ちと雰囲気がぴったりだったので、月城かなとさんが牧野を、というのは想像がつきません。

牧野は繊細というか、あたたかな役柄………でもあたたかな役柄は先日の『川霧の橋』の幸さんにもあったなぁ………
『川霧の橋』で結愛かれんちゃんに向けていたあのあたたかなやさしさが今度は海乃美月さんに向くのか………うぉぉぉ………!

月城かなとさんがどんな牧野を演じてくださるのか、とっても楽しみです………!

美雪…海乃美月さん

うみさんは、もうそれはそれはきれいな美雪を演じてくださるんだろうな、と期待です……!
お衣装の数々や鬘も楽しみ。

美雪は話し方が変わっているのですが、うみさんはどんな役作りをされるのか気になります。

俊藤龍之介…鳳月杏さん

上で一切言及しませんでしたが、鳳月杏さんは昭和の映画スターのお役です。クセ強め。
だいぶクセが強めですが、とてもいい役でした。

映画を観てからポスターの鳳月杏さんを見ると、爆笑必至です。

劇中劇で映画を撮影するシーンもきっとあるでしょうし、楽しみです!

本田翼

美雪の恋敵(?)役を本田翼さんが演じられています。
もしかして、結愛かれんちゃんだったり、する………?!
結愛かれんちゃんだったらぴったりだなぁ!

あ、彩みちるちゃん組替えでようこそなのか………!
なら彩みちるちゃんかなぁ………!
冴子さん………!全然雰囲気の違う役………!

中尾明慶

牧野の仕事仲間であり友人は中尾明慶さん。
誰だろう。
3番手は今暁千星さんになるのかな……?
そうしたら暁千星さん?それはぴったりだな!笑

ありさんは『I AM FROM AUSTRIA』のマッチョマッチョの陽のイメージが強くて未だに抜けておりません笑
中尾明慶もめちゃめちゃ陽だからすごくぴったりだと思います………!

その他

柄本明さんが演じられている、映画館の館長さんの役が素敵です。
おじい………!😭ってなります。

キャスト欄に専科の方のお名前がないけど、ご出演はないのかな?
現代のシーンがあるなら現代の牧野役もあるし、素敵なおじいの役が多いですぞ(おじいおじい言うな)

三獣士

そして、美雪の住む(?)映画の世界に登場する人物も気になるところです。
タイトルは先にもちらっと書きましたが、お転婆姫と三獣士』

桃太郎のおとものイヌ、サル、キジのように、お姫さまにもたぬき、虎、鳩……“三獣士”のおともが登場します。

これがまた俳優さんが幼稚園のお遊戯会的な仮装で演じられているのですが、宝塚版はどうなるんだろう……笑

エンドロールで竹中直人さんのお名前を見つけて、一体どこに?と思ったら、たぬきだったらしい。
分からんかった……笑

しかも出オチ感すごい割にはそんなに出番がないんです。
どうなるんだろう?
語り要員とかになったりするのかな?
でも現代のシーンがあるなら言いたいこと看護師の子が言ってくれているしなぁ。
三獣士、キャストも演出も気になるところです。

演出

なぜ、この作品が宝塚で上演されることになったのかとても不思議でした。
しかし、実際に観てみると、映画の中の世界の舞踏会のシーンなどは、とても“宝塚映え”するんじゃないかと思います。
(映画ではモノクロなのが残念……)

オープニングの舞踏会?のシーンなんかは長く取って、美しい宝塚の持ち味が存分に発揮されるんじゃないかな?なんて想像します。

モノクロの演出

モノクロの世界から飛び出したお姫さまの物語なので、モノクロの演出がキーとなっています。
この演出、舞台ではどうなるのかとても気になります。

言っていることが上と矛盾するのですが、カラフルな世界で舞台化されるからこそ、モノクロだった華やかな世界を色付きで観てみたい!という気持ちもあります。

綾瀬はるか演じる美雪はモノクロの世界のお姫さまなので、登場したときは姿がモノクロ!
当たり前のように色がある世界の中でひとりモノクロなので、とても顔色が悪く見えます。笑

このあたりもどうなるのか期待です。

現代とのクロスオーバー

物語は現代と昭和を行ったり来たりして進んでいきます。

この部分もどうなるんだろう?
前半は
「このシーンいるのかな?」
なんて思ってしまっていましたが、いるいる、絶対いる!!!笑

おじいになった牧野も月城かなとさんが演じられるのでしょうか。
さすがに違うのかな?
こちらも楽しみです。

もう呼吸困難レベルの号泣映画で、とっっっても楽しみになりました!

というか、最近宝塚観劇しすぎたな、と思って観に行くか悩んでいて、ひとまず原作を観てみようと軽い気持ちで観たのにこんなことになるだなんて……!笑

ストーリーの大切さ

近頃、宝塚を多く観劇するようになり、自分の中の軸として大切なんだな、と思ったことがあります。
それはストーリーです。

トップコンビ、主人公に共感しながら、ストーリーに心を委ねながら観られるか?というのがとても大切であることに気づいたんです。

これは、わたしがご贔屓と呼ばせていただけるタカラジェンヌさんがあまりいないことと、宝塚に限らず、わたし自身がストーリーに引っ張られて飲み込まれてしまいやすい性格であることに起因していると考えています。

余談ですが、潤花ちゃんは大好きですよ!
でも、
「潤花ちゃんがかわいいから!ストーリーは好きじゃないけど、好き!」
って言える自信、まだないです………。
幸い、『シャーロック・ホームズ』はストーリーも好きでしたし、何よりデリシューが大好きだし、次の『バロンの末裔』はこれまで観てきた宝塚作品で最もストーリーが好きな作品になったので、“ストーリーが好きじゃない”ってことがしばらくなさそうなので良かったのですが……。

ストーリーは微妙でも、音楽が好きならそれでいい!というパターンもあります。
ロミオとジュリエット』がそのパターンです。
ロミジュリはストーリーに冷静に突っ込みを入れ出すと負けます。笑

だからこそ、『今夜、ロマンス劇場で』のストーリーがとても好きになれたのには、大きな大きな意味があります。
こんな好きになってしまうとは思ってもいませんでしたが…!

宝塚友の会にも入ったことですし、ぜひ!観劇できたらいいなと!思っています!
年明けが楽しみだなあ!!!