*SAKULIFE*

音楽と桜とミルクティーが好きな社会人が、日々の想い出やお気に入りをしまっておく宝箱。

ヨーロッパの宝石箱 リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展

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2021.3.28(Sun)

ヨーロッパの宝石箱
リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展
at あべのハルカス美術館

最終日に滑り込みで行ってきました。

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リヒテンシュタイン展に訪れるのは2回目。
ルーベンスのクララが来日した時に一度観ています。
(ちなみに、クララは別の展覧会で日本で再会を果たしています)
しかし、クララの印象しかなく、今回重複があるのかないのかすら分からないというありさまでした…。

世界で唯一、侯爵家(君主)の家名が国名となっているリヒテンシュタイン
一度行ってみたい国です。

肖像画にはじまり、宗教画、歴史画、磁器、風景画、そしてお花と、様々なジャンル・時代の作品が一同に介していて、リヒテンシュタインのコレクションの幅広さを感じました。

肖像画

肖像画を見るのが地味に好きだったりします。
写真かと見間違うようなリアルな肖像画はほんとうに素晴らしいです。
きらびやかな宝石が、キラキラと光を反射して見えたり、髪質のふわふわが手に取るように伝わってきます。
女性のチークの入れ方も美しく、肌の美の価値観が数百年前から変わらないことにも驚きます。

磁器

リヒテンシュタインは日本や中国の磁器もコレクションしていると知り、驚きました。
有馬焼に金具を取り付けて、ポプリ箱などに活用されているものもあって、ヨーロッパの人々のアイデアに驚きました。

西洋と東洋では塗りの方法や絵の具が異なる、というのも初めて知りました。
西洋では釉薬の下に絵付けするけど、東洋は一度焼いてから絵付けをし、そのあと低温で焼くのだそう。
そのため、東洋の和絵の具は、塗ったときの色と出来上がりの色が異なることが多いとのこと。
絵の具の色によっても変化の度合いは異なっていて、鉄成分の多い赤系はそこまで変わらないけれど、ガラス成分の多い青や緑は焼くと変色が激しいとか。
和絵の具は複雑な色のグラデーションが難しく、重ねるのが難しい、だったかな?と書いてあった気がします。
勉強になりました。

そういえば、ノリタケでお皿の絵付け体験したときも、塗った後に焼いてもらったなと思い出しました。
絵の具の色と塗るときの色も結構違ったし、そして、あんまり厚塗りするとお皿が割れる、と注意を受けたような気もする。

絵画を模写した精巧な絵皿が素晴らしかったです。
美しい。

あと、デルフト陶器に中国に影響を受けた絵が描いてあるのは衝撃でした。(デルフト陶器好き)
東洋と西洋の融合。

風景画

風景画にブリューゲルの作品がありましたが、ブリューゲルはお花を見るとそれだけでブリューゲルと分かる個性があるなと思いました。

お花

お花のエリアだけ撮影可でした。
この作品、艶々しているな~と思いながら見ていたら、なんと陶板でした。びっくり。


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ヨーゼフ・ニッグ
白ブドウのある花の静物(1838)
黒ブドウのある花の静物(1838)

完璧なシンメトリー。美しいですね。

こちらは油画。

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フランツ・クサーヴァー・ペター
アオボウシインコのいる花と果物の静物1830年
ヨウムのいる花と果物の静物1830年

こちらもシンメトリー。

キービジュアルのこちら。

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フェルディナント・ゲオルク・ヴァルトミュラー
磁器の花瓶の花、燭台、銀器(1839)

ヴァルトミュラーさん覚えました。

静物画といえば、前に凄まじく精細な作品観たな~!と調べたら、ウィレム・クラースゾーン・ヘ―ダ 《ロブスターのある静物でした。
https://cherryoulife.hatenablog.com/entry/2020/11/16/225654
これもすごかったなぁ。


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絵皿。
美しい。

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ふわふわの花びらの質感が伝わってきますよね。


写真撮影可なの、ありがたいのですが、OKなのはエリアではなく、1作品等に限定した方がいい気がするなと思いました。
観ることではなく撮ることが目的になってしまうし、静かな空間にシャッター音が響きまくるのがちょっとなぁ。

とはいえ撮影できるのであれば残したいし、実際に海外の美術館作品はあとから気軽に見返せるのが便利で、撮ってよかった、と思うことが多いので、撮ってしまうのですが…。
むずかしいなぁ。


美しい作品ばかりで目が潤いました。
やっぱりわたしは、写実的な作品と印象派が好きです。

また海外に行きたいなぁ…。


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あべのハルカス美術館の次の展覧会、全然存じ上げない方だったのですが、たまたまイントロダクションを読んで、興味が出てきています。


生誕160年記念
グランマ・モーゼス
素敵な100年人生
https://www.aham.jp/exhibition/future/grandma_moses/

アメリカ東部の農家の主婦だったグランマ・モーゼスことアンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼス(1860-1961)は、70代になり本格的に絵を描き始めます。身近な田園風景や日々の暮らしを素朴な筆致で描き、101歳で亡くなるまで国民的画家として愛され続けました。


びっくり。

70代で絵を描き始めても、30年あるという可能性の広がりがすごいですね。
30年って、今のわたしの人生くらいの長さですよ。

人生100年時代は決して肯定的に受け取れない絶望人生ですが、何か生き抜くヒントがここに転がっていたりしないかな。
折を見て行きたいです。