Amazon Primeにて視聴しました。
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49歳の男性作家と、歳の離れた妻が不妊治療に励む姿を描いた『ヒキタさん!ご懐妊ですよ』。
ご主人を松重豊さん、妻を北川景子さんが演じられています。
タイトルがストレートなので、観るのをためらってしまっていましたが、観てよかった。
いつかは子どもがほしいと思っている女性はもちろん、特に男性にご覧になってほしい映画でした。
不妊治療って具体的にどんな治療をされているか、どんなステップを進んでいくかって、実際に治療を始めてみないと分からないことばかりだと思うんです。
この映画は、不妊治療がどのようなステップを辿っていくかが丁寧に描かれているので、とても勉強になります。
(わがままを言うなら、どこまでが保険が効いて、どこかは自由診療になるのか、というところも描いてもらえたらもっと勉強になったな~と思いました。
今後保険適用範囲が広がる可能性もありますし、治療が進むにつれ、高額な費用になることは取り上げられていましたが)
「いつかは子どもがほしい」
と思っている方だけでなく、
「子どもは(もう)いらないよ」という方にもぜひご覧いただきたいです。
自分自身は子どもがもういたり、いらなかったりする方もいると思うのですが、周りに不妊治療をされている方がいらっしゃる方もいるんじゃないかと思います。
そんな方が、どんな大変な治療をされているのかを、知るきっかけになると思います。
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独身で子どもを産んだことがないわたしがえらそうに語りはじめてすみません。
いつからだったかな。
一昨年の冬くらいからずっと、フォローし、勝手ながら見守り続けているInstagramのアカウントがあるんです。
友だちに教えてもらって、投稿を見るようになりました。
福岡にお住まいのその方は、ご主人と、ずっと不妊治療を続けられていて、その様子を漫画でInstagramに投稿されています。
わたしがフォローし始めたとき、すでに、1年以上治療を続けられていました。
日記は少しずつ更新されます。
わたしは、次こそは、次こそは…!と、願いながら更新を待ち続けてきました。
でも、まだ、その方は授かれていません。
それどころか、体外受精にチャレンジしても授かれず、今はタイミング療法にステップを戻して不妊治療をされています。
勝手に見守っているわたしですら、つらい。
次こそは、次こそは…と思いながら、数万単位の出費が続いていく……。
気持ちもめげそうになるし、しかもお金も出て行くし………。言葉になりません………。
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わたし自身、子どもは生きているうちにひとりは欲しいなとは思ってはいるのですが、この年齢になっても独身だし、結婚の予定もないし、このまま行くと高齢出産まっしぐら、その前に不妊治療まっしぐらな気がしてしまっています。
これであっさりと妊娠したらすごく角が立つのだけれど、予定はないので安心して?ください。
そもそもわたしの人生は大学受験も就職もつまずかないことには前に進めないように神様が道を用意してくれているみたいなので、絶対にそこでもつまづくと思うのです。言霊のことを考えるとあんまり言語化してしまうものでもないのですが、現に未だに独身だし遺伝的にも体質的にも危険信号だし。
妊娠の前の結婚でどんつまづきまくっておるのです。
話がそれましたが、仕事でも不妊治療について聞くことも多く、気が早いのですがいろいろ知っておきたいな、と思い、思い切って映画も観ることにしたんです。
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ようやくここから映画のお話です。
『ヒキタさん!ご懐妊ですよ』は、松重豊さん演じる49歳の男性作家ヒキタクニオさんと、北川景子さん演じる歳の離れた奥様サチさんが不妊治療に励むお話。
男性不妊のお話ですが、なかなか妊娠できなかったり、妊娠しても心音が聞こえなかったり(これは、Instagramを拝見していて実際にあったことだったので本当に悲しかった………)と、妊娠して無事に生まれることって、奇跡の積み重なりの結果なのだなと………思います………。
実際、先日会社の先輩にお子さんが生まれたのですが、生まれる1ヵ月前に奥様が入院されていたりして、ほんとに無事に生まれてよかったです…。
お子さんはよく写真を見せてもらっているのですがとてもかわいいです。
ほんとに生命の誕生って奇跡………。
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ただ、男性側が妊娠したら終わりー!!!とばかりにビール飲んでるのにはちょっと違和感を覚えました。
妻の方は妊娠したら授乳終わるまで飲めないんだし、せめて妊娠中は一緒にアルコール控えたらいいのに、と思ってしまいました。
男性の現実ってそういうものなのかなぁ。
そうなんだろうなぁ。
あと、突然クズと化した濱田岳がその後どういう選択をしたのか気になりました……。
話のテーマと逆行しすぎるからカットになったのかな……。
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タイトル、『ヒキタさん!ご懐妊ですよ』ってストレート過ぎるよって思ったけど、もうこれくらいストレートじゃないと不安で不安で観られたものじゃないです。
タイトル見れば、
「最終的に妊娠できる話なんだな」
って思えるじゃないですか。
お医者さんが
「ヒキタさん!ご懐妊ですよ」
ってタイトル言った瞬間めっちゃ泣きました。
受付の看護士さんと一緒に泣きました。
でも、現実は、ヒキタさんと同じ治療をしても、授かれないご夫婦がたくさんいらっしゃるんですよね………。
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映画にこんな台詞があります。
「公平っちゃ、公平ですよね。
どんな年齢でも、どんな仕事でも、どれだけ頑張っても頑張らなくても、子供が欲しくても子供が欲しくなくても関係なく、できる人にはできる。できない人はできない。
こんな公平なこと、ないっちゃ、ないですよね。」
これは、序盤に登場する授かれなかったご夫婦のご主人の台詞なんです。
わたしにはこれが公平だとはとても思えないよ、神様。
このご夫婦のその後が、その後少しだけ描かれていて、わたしは台詞のないそのシーンだけで泣きました。
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映画では、まさかの生まれるまでは描かれないのですが、できれば生まれた赤ちゃんを一目見たかった………。
生まれるまで、不安よ………。
そんなの言い出したら、生まれた赤ちゃん首座ってないし怖いし、赤ちゃんは歩いたと思ったらすぐ走り出して飛び出すし………とか言い出したらキリないとは思うんですが………。
気を抜いたらすぐ死ぬ期間が長すぎるぞ、ニンゲン!
奥様を演じられた北川景子さんが、実際に娘さんを出産された後、
「産んだら終わりだと思ってた」
とおっしゃっていましたが、この撮影をされていたと知ってからこの台詞を聞くと、その意味がよく分かります。
産むまでも大変な道のり過ぎる。
そら産むのがゴールにもなるわ。
この作品を通して大変な経験をされたであろう北川景子さんが、こうして無事に娘さんをご出産されてママになられて、ほんとうによかったなぁと思わずにはいられなくなりました。
時間の経過のアイコンとして描かれる桜が毎年美しいです。
悲しい夜桜になってしまった年もあったのですが、最後には明るい太陽の下の満開の桜が見られてよかったです。
みんなに観てほしいです。